目次
序章 『源氏物語』における女房研究の現在と本書の構成
1 物語をひらく女房(王命婦論―「賢木」巻における「いとほしがりきこゆ」の対象を起点として;女三の宮の十二人の女房―「若菜下」巻の密通をよびおこすもの;「今参り」考―「東屋」巻における匂宮と浮舟との邂逅をめぐって)
2 主人をかたどる女房(大輔命婦の人物設定―「末摘花」巻における造型の意義をめぐって;侍従の誓い―「蓬生」巻における「たむけの神」をめぐって;中納言の君の代作―「常夏」巻における近江の君への返歌をめぐって)
3女房がつなぐもの(犬君のゆくえ―『源氏物語』における女童をめぐって;渡殿の戸口の紫の上―「薄雲」巻における中将の君を介した歌をめぐって;よるべなき中将の君―「幻」巻における紫の上追慕をめぐって)
4女官が見つめるもの(「春宮の宣旨なる典侍」論―「若菜上」巻の御湯殿の儀をめぐって;藤典侍論―「夕霧」巻における雲居雁との贈答をめぐって)