内容説明
鎌倉を愛し、実朝を愛した著者の実朝論は、実朝の歌を客観的に分析するというより、実朝の心の中に入りこんで、実朝と一つになり、そこから生まれた深いヨミが、独自の実朝論を誕生させることになった。また仙覚論は、仙覚の業績を、東国の風土と鎌倉幕府の機構の中でとらえたもので、特に、仙覚の出自について、仙覚が鎌倉二代将軍頼家の子であったという新説は、従来の仙覚研究に一石を投ずることになるものであろう。
目次
序章 文芸風土の要因としての「見立て」―美の土壌
第1章 源実朝の世界(「歌壇」について;指導的地位の確立;風土を享受する様式(即風土) ほか)
第2章 仙覚の世界(宗尊親王の歌業と仙覚;比企氏の興隆と仙覚;比企氏の滅亡と仙覚 ほか)