カラーアトラス皮膚診断の技法 - 皮膚を診ると全身が見える

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  • サイズ B5判/ページ数 357p/高さ 27cm
  • 商品コード 9784787812391
  • NDC分類 494.8
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》  皮膚所見は重要な臨床情報を提供してくれるが,皮疹をどう読ん
だらよいのかわからないという声を聞く.本書は,『皮膚診断の技
法――皮膚を診ると全身が見える』というタイトルの通り,どのよ
うに皮疹を診て,疾患を考えていくかをわかりやすく解説している.
皮膚科医はもちろんだが,皮膚科以外のドクターやコメディカルの
皆さんにも,臨床の場でご利用いただけるように,皮膚科特有の疾
患より全身疾患に関連した皮膚症状を中心に編集した.
 皮膚科医の診断は,皮疹の性状や分布を正確に認識することから
始まる.ベテランになると問診と皮疹の視診と触診を同時に行いな
がら,どの部位にどのような皮疹があり,組織学的にどのレベルに
病変があり,細胞浸潤がどの程度なのか,滲出性変化が強いかなど,
多くの情報を瞬時のうちに引き出し,多くの鑑別診断を想起する.
いかに漏れなく鑑別診断を想起できるか,そして,さらなる問診や
診察技術を駆使して鑑別診断を絞り込めるかによって皮膚科医の技
量が決まる.十分な鑑別診断が想起できなければ,思い込みによる
的外れな診断的アプローチをとり,余計な検査をオーダーする結果
になりかねない.皮膚症状を的確に読みとることは,時としていか
なる検査よりも正確であり,皮疹の裏に潜む内臓・血液・内分泌疾
患の存在をも予測して検査を進めることができる.それこそが皮膚
科の醍醐味であり,存在価値にほかならない.
 本書をご覧いただくと,斬新な章立てに驚かれるかもしれない.
第I章は症候としての皮疹をパターン化してあり,皮疹の特徴から想
起すべき重要な疾患がリストアップされている.ちょうど皮膚科医
が皮疹から得た情報を整理して,鑑別診断を考えるプロセスを初学
者にもわかりやすい形で表現してある.多忙な臨床の場において威
力を発揮するように,皮疹のパターン認識から鑑別診断を想起でき
るように工夫した.鑑別に必要なポイントは,表のなかに簡潔に記
載されているので,第I章をチェックリストのように利用していただ
ければ,皮膚科以外のドクターが皮疹を診察する場合でも,主要な
鑑別診断に到達できるように配慮した.
 鑑別診断を想起したら,各疾患のポイントになる記載事項を参考
にして,さらなる問診を行い,外来での簡単な検査を実施すること
によって鑑別診断の絞り込みが可能となる.そして,鑑別診断が絞
り込めたら第II章を参照することにより,想起した疾患の概要がつ
かめる仕組みになっている.疾患ごとの記載は簡潔かつエッセンシ
ャルなものなので,忙しい診療の合間に,知識の確認のために用い
ることも可能である.
 第I章,第II章を通して,本書には膨大な枚数の臨床写真が掲載さ
れており,「皮膚病アトラス集」あるいは「皮疹の事典」としての
利用価値も高い.内臓・血液・内分泌疾患などに関連した皮膚症状
の臨床写真を網羅的に,これほど多く収集した書籍は他に類をみな
いであろう.
 最後に,編集者の無理な注文にもかかわらず,多大のご尽力をい
ただいた執筆陣の先生方には心からお礼申し上げたい.
 診療科を問わず,general medicine のなかで“皮膚を診る”臨床
の場で本書がお役に立てばこのうえない喜びである.
2004年4月吉日
岩月啓氏/宮地良樹    

《目次》
執筆者一覧
序文
第I章 皮膚病変から全身疾患を考える
A.毛髪の異常
 1.脱毛
 2.多毛
 3.白毛
 4.毛の形態異常
B.色素の異常
 1.色素沈着
 2.色素脱失,白斑
 3.多形皮膚萎縮,いわゆるdirty neck
C.紫斑,出血斑
 1.血管病変――血管炎
 2.組織脆弱性,アミロイド沈着など
 3.血液疾患,凝固異常
 4.感染症
D.潰瘍,びらん
 1.動脈性(阻血性),静脈性(うっ滞性)
 2.壊疽性,神経原性,膿皮症様
 3.物理的要因
E.皮疹を伴わないかゆみ
F.痛みのある皮疹,腫瘍
G.不明熱に伴う発疹
H.皮膚の機能異常
 1.発汗異常
 2.知覚障害
 3.Raynaud現象
 4.過伸展,拘縮,萎縮
I.膨疹
J.滲出性紅斑
K.結節性紅斑
L.環状紅斑
M.網状皮斑(リベド)
N.汎発性の紅斑
O.角化を伴う紅斑
P.毛包性一致性皮疹
Q.水疱性皮疹
R.無菌性膿疱
S.魚鱗癬様皮疹
T.炎症のない角化性病変
U.皮膚硬化,浮腫
V.毛細血管拡張,血管腫
W.蜂窩織炎様病変
X.肉芽腫様病変
Y.腫瘍,結節
 1.赤色の腫瘍,結節
 2.黒色の腫瘍,結節
 3.黄色調の腫瘍,結節
 4.乳頭状・ポリープ状の腫瘍,結節
 5.潰瘍を形成する腫瘍,結節
Z.部位別の病変
 1.顔面・眼周囲の皮疹
 2.外陰部の皮疹
 3.爪・爪周囲の皮疹
 4.日光露出部の皮疹
 5.口唇・口腔の病変
第II章 発疹を伴う全身疾患
A.不明熱
B.薬疹
C.感染症
 1.麻疹
 2.風疹
 3.水痘
 4.伝染性紅斑
 5.Lyme病
 6.梅毒
 7.疥癬
 8.ヘルペス
 9.Hansen病
10.深在性真菌症
11.細菌感染症
D.血液疾患
 1.異型リンパ球,異常リンパ球
 2.血漿蛋白異常
 3.鉄欠乏性貧血,多血症
 4.移植片対宿主病
 5.AIDS
 6.骨髄異形成症候群,白血病
 7.悪性リンパ腫
 8.骨髄移植,幹細胞移植,化学療法
 9.好酸球増加症
E.消化器疾患
 1.炎症性腸疾患に伴う皮膚疾患
 2.消化管ポリポーシス
 3.腹痛,下血
 4.下痢
 5.逆流性食道炎,イレウス
 6.肝機能障害
 7.C型肝炎,B型肝炎
F.内分泌・代謝疾患
 1.糖尿病
 2.甲状腺機能障害
 3.副腎疾患
 4.グルカゴノーマ
 5.痛風
 6.高脂血症
 7.肥満
 8.亜鉛欠乏症
G.腎疾患
 1.腎不全,透析
 2.ANCA関連血管炎
H.呼吸器疾患
 1.急性間質性肺炎
 2.肺線維症
 3.サルコイドーシス
I.循環器疾患
 1.心疾患に伴う発疹
 2.大動脈炎症候群
 3.閉塞性動脈硬化症,Buerger病
J.リウマチ性疾患,類縁疾患
 1.全身性エリテマトーデス
 2.全身性強皮症
 3.皮膚筋炎
 4.Sjogren症候群
 5.関節リウマチ
 6.Behcet病
 7.Sweet病
 8.結節性多発動脈炎
 9.抗リン脂質抗体症候群
K.デルマドローム
 1.黒色表皮腫
 2.環状紅斑
 3.紅皮症
 4.後天性魚鱗癬
 5.Leser-Trelat徴候
L.産婦人科疾患
 1.妊娠
 2.多嚢胞性卵巣症候群
 3.更年期障害
M.母斑症
 1.結節性硬化症
 2.神経線維腫症
 3.McCune-Albright症候群
 4.LEOPARD症候群
 5.Peutz-Jeghers症候群
 6.神経皮膚黒色症
 7.Bloch-Sulzberger症候群
 8.Cole-Engman症候群
 9.母斑性基底細胞癌症候群
10.Sturge-Weber症候群
11 Klippel-Weber症候群
N.眼科疾患
 1.ドライアイ
 2.アレルギー性結膜炎
 3.白内障,網膜剥離
 4.Vogt-小柳-原田病
 5.角膜炎,虹彩炎,網膜症
O.耳鼻咽喉科疾患
 1.慢性扁桃炎
 2.Hunt症候群
 3.Osler病
P.整形外科疾患
 1.胸肋鎖骨異常骨化症
 2.Reiter病
 3.強直性脊椎炎
Q.歯科・口腔外科疾患
 1.齲(う)歯,病巣感染
 2.ドライマウス

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