低侵襲心臓外科手術

低侵襲心臓外科手術

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  • サイズ A4判/ページ数 208p/高さ 27cm
  • 商品コード 9784787810991
  • NDC分類 494.643
  • Cコード C3047

目次

1 低侵襲心臓外科手術の歴史と展望(低侵襲心臓外科手術のルーツ;低侵襲心臓外科手術の2つのアプローチ ほか)
2 低侵襲冠動脈バイパス手術(Coronary Artery Bypass Grafting Without Cardiopulmonary Bypass;胸骨正中切開によるoff pump CABG ほか)
3 低侵襲心臓外科手術(MICS)(心房中隔欠損症に対する低侵襲手術;弁膜症手術におけるMinimally lnvasive Cardiac Surgery(MICS) ほか)
4 MICS手術の最新手術器具および将来展望(心臓血管外科分野のオリンパス内視鏡機器の現状と将来展望;Mini CABG SystemからAuto Stitchへ低侵襲心臓外科用手術器械開発の経緯 ほか)

出版社内容情報

《内容》  低侵襲心臓手術(MICS)のルーツは,筆者が第一章で示した通り1972年にまでたどることが出来る.しかし,MICSが心臓外科の現場でぜひ必要な手術手技の一つのオプションとして認識されたのはごく最近のことである.MICSの世界的な先峰であるBenetti,Subramarian,Calafiore,Cosgrove,Stevensらの強力なキャンペーンが開始されたのは,1995年以降である.わが国では,シンポジウムでMICSが取り上げられたのは1996年12月の第10回日本冠疾患外科学会が初めてであろう.その時のシンポジストのMICS経験症例数は南渕明宏,須磨久善両氏による各20例が最多であった.まさにこのシンポジウムがわが国のMICSの夜明けであった.  筆者は,メディカル朝日1997年2月号の論説「低侵襲心臓手術の現況と将来」の中で以下のようなメッセージをその結語とした:「わが国においては,低侵襲心臓手術の適応症例は限られるであろう.しかし,ぜひ必要な心臓外科手術の一つのメニューとなることは間違いない.技術的な改良が現在なお大きなステップで進行中である.低侵襲心臓手術を受け入れるかどうかについての回答は,多くの施設にとって今日はNOだが,明日にはYESとなる可能性がある.国内だけで苦労するのではなく,米国のトレーニングコースなどを大いに利用して,MICSのシステムを早期に導入することを考慮するべきであろう」.実は本書出版に関する私どもの意志は,1996年秋のこの論説の執筆中に自然に生まれた.私どもはわが国におけるMICSの導入と発展のためには,わが国内で効果的なトレーニングコースを実施することが必要であると考えた.1997年早々からオートスーチャー・ジャパン社の協力によってそのトレーニングコースの準備に取りかかった.コースのスローガンは“MICS:Why,When,How to do it”であった.奈良医大の北村惣一郎教授(現国立循環器病センター副院長),九州大学の安川久喬教授,慶応大学の川田志明教授,順天堂大学の細田泰之教授,大阪大学の松田暉教授,国立循環器病センターの高本眞一部長(現東京大学教授)らがファカルティ・メンバーとしてこのトレーニングコースを支えた.1997年2月~8月の間に,外国からエキスパートを迎え4回のトレーニングコースを開催した.これによって39施設から参加した62名の 心臓外科医が動物実験の実技を通してフランクにMICSを評価する機会を得た(図).  1997年10月には慶應大学の川田志明教授を代表世話人とする第一回日本低侵襲小切開心臓手術研究会が開催された.このミーティングはわが国のMICSの発展を考えるときの重要なマイルストーンとなった.本書の大半の執筆者は,前述のトレーニングコースのファカルティ・メンバーである.すべては実際的な記載であり,そこには“How to do it”が正直に示されている.英文チャプターの著者であるDuhaylongsodは前述のトレーニングコースのゲストであり,又Calafioreは1998年2月の国際MICSシンポジウム(東京)のゲストスピーカーの一人である.  本書の内容はある意味では,トレーニングコースのレクチャーやシンポジウムのProceedingsに相当する.しかし一方,本書の内容は1998年~99年にかけてのMICSの“State of the Art”と言って良いのではないかと自負している.上記のような執筆者の事情から本書が欧文と邦文が混合していることをお許し頂きたい.“How to do it”という目的のためにきわめてわかりやすいチャプターを執筆して下さった全ての著者に最大限の敬意を表すると共に厚く感謝する.一方,今日のMICSにおいては,器機,システムの新しい工夫や開発がなお進行中である.現在続々と新しいMICS用の手術器具等が市場に出ている.本書では特にこの領域の新製品を取り扱っている15社のメーカーにお願いし,各社のMICS関連製品の正確な情報を本書のチャプターとして執筆して頂いた.わが国でMICSが正しく普及するために,各社の担当者が特別のご協力を下さったことに感謝する.最後に,本書の編集に際して献身的に作業をして下さった埼玉医科大学 許 俊鋭教授に厚く感謝する.  本書が心臓外科の若き学徒のために,MICSの“How to do it”の原点となるテキストブックとして有効に利用されることを念じている. 1998年12月   尾本良三    《目次》 1 低侵襲心臓外科手術の歴史と展望 1 2 低侵襲冠動脈バイパス手術 7  1 Coronary Artery Bypass Grafting Without Cardiopulmonary Bypass 9  2 胸骨正中切開によるoff pump CABG 14  3 低侵襲冠動脈バイパス手術(MIDCAB)の技術的問題点 18  4 Left Anterior Small Thoracotomy(LAST)手術の手術方法 32  5 胸腔鏡を用いた内胸動脈採取法 36  6 回旋枝分枝に対する小切開冠動脈バイパス術 45  7 MIDCABの適応と問題点およびGEAを用いたMIDCAB 50  8 MIDCAB麻酔の実際 55  9 Less Invasive Coronary Artery Bypass Grafting 64  10 Ultrafast Computed Tomography and Harmonic Scalpel for Minimally Invasive Coronary Artery Bypass Grafting 75  11 Clinical Experience of Endoscopic Harvesting of Saphenous Vein for Coronary Artery Bypass Grafting 79 3 低侵襲心臓外科手術(MICS) 89  1 心房中隔欠損症に対する低侵襲手術 91  2 弁膜症手術におけるMinimally Invasive Cardiac Surgery(MICS) 95  3 Port-Access(Heartport)によるMinimally Invasive Cardiac Surgery(MICS) 106  4 PCPSを用いた埼玉医大式MICS手術手技 115  5 胸腔鏡下心膜開窓術 121  6 Experience with Minimally Invasive Thoracoscopic Surgery for the Interruption of Patent Ductus Arteriosus 127  7 Standard MICS(胸骨小切開)およびPort-Access MICSにおける体外循環の工夫 132 4 MICS手術の最新手術器具および将来展望 143  1 心臓血管外科分野のオリンパス内視鏡機器の現状と将来展望 145  2 Mini CABG★ SystemからAuto Stitch ★へ低侵襲心臓外科用手術器械開発の経緯 149  3 カーディオベーションズ★製品およびハーモニックスカルペルのMIDCABおよびMICSへの臨床応用 153  4 CTS心拍動下冠動脈バイパス術用スタビライザーシステム 157  5 ペムコIMAリトラクター 161  6 Octopus TMティシュースタビライザー 165  7 スキャンラン社製Chitwoodの大動脈遮断鉗子・ACP MICS Sternum rake(胸骨鈎:くま手) 169  8 IVCテーピング用デシャン 173  9 Heartport社製Port-Access TMシステム(薬事未承認) 175  10 低侵襲心臓外科手術を支援する器具Baxter Reusalle Retractor System・陰圧吸引補助 (バキュームアシスト)脱血法 179  11 JMS低侵襲心臓手術用人工心肺回路と手術器械 183  12 各種の3M TM Sarns TM静脈脱血カテーテルを用いた静脈脱血補助(Augmented Venous Return)における流量と遠心ポンプ入口圧のIn-Vitro評価 187  13 テルモキャピオックスEBS(emergency bypass system),生体適合性材料(ヘパフェイス) 191  14 MICS用製品と技術開発(脱血補助用吸引圧コントローラ) 195  15 除細動装置FC-1400 199