内容説明
多様な質問が仕組まれ、ルーマン一流の複雑性を携えて返答するインタビュー集「アルキメデスと私たち」、ルーマン理論の重要なエッセンスを語った講演「構成としての認識」、退官記念講演「なにが扱われているのか?その背後になにが隠されているのか?」を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
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自身の理論のエッセンスを語った講演、退官記念講演、インタビューの3本を集めた本書は、認識が必然ではなく、構成された偶発的なものであるという理論的姿勢を示唆する一方、理論構築する際に知を生産するためのカードボックスの使い方も紹介する。具体的な著者の知の構成方法は、理論の中核にある閉鎖系システムの再生産、自己記述を体現しているようであり、システムを構成するデータと、偶発性を惹起する人間という環境との関係は研究室とその外側に喩えたくなる。この閉鎖空間は多数あり、外に開かれているゆえにシステムは変動するのである。2024/08/17
抹茶ケーキ
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ルーマンのインタビューと講演。講演は他の本でも言われていることを繰り返しているだけだけど、インタビューでは個人的な話が出てきて面白かった。理論構築それ自体がルーマンの目標であって、それ以外の目標は持っていないということがわかった。2016/02/22