感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
社会がコミュニケーションを構成要素とし、システムが「公式化された予期構造」を持つとすれば、各々が意志を持つ人間はシステムの予期を乱す偶発性であり、不確定性を生む「環境」の側にあると著者はいう。1960年代前半の著者最初期の著作である本書は、システムから見ると組織と人間の関係は全体と部分の関係にはなく、人間は社会の外部にある点を強調する。ここから本書は、公式組織はどこまでシステムかを検討しながら、人間が組織を構成するのではなく「役割」として包摂され、予期が誰かの予期となり目的にすり替え可能な点も注視する。2024/08/11