内容説明
本書は、本質的なるがゆえに、左右の誤読と誹謗にまとわれてきた柳田の「日本」という主題を検証し、真の「日本学」の現代的意義を問い直すものである。
目次
柳田国男・主題としての「日本」(“日本”という命題―柳田国男・「一国民俗学」の射程;柳田国男『先祖の話』を読む―戦死者の魂をめぐる日本人の葛藤;“有史以外の日本”の探究(一)
作意された民俗―宮本常一「名倉談義」を読む)
柳田国男伝記研究(岡田武松と柳田国男)
調査報告(日蓮宗の信仰と講集団(上)―鴨川市小湊妙蓮寺の歌題目・ひげ題目をめぐって)
書評(政治を席捲する民俗―杉本仁『選挙の民俗誌 日本政治風土の基層』(梟社刊、二〇〇七年四月)
宗教としての天皇制を追究―山下紘一郎『神樹と巫女と天皇 初期柳田国男を読み解く』(梟社刊、二〇〇九年三月))