出版社内容情報
「私たちは差別の何を知っているだろうか? 不可視の差別を可視化する、厳密かつ包括的な差別研究の最前線――岸 政彦」
人種差別、性差別、障害者差別、性的指向差別……。
私たちの周りでよく見聞きされる「差別」という言葉。しかし、差別ほどその存在を捉えにくいものはありません。日本の差別調査の多くは、差別される当事者に対して行われるため、その人が差別だと感じたことが、実は差別でないということがありえます。一方、差別をしている側も、何が差別で何が差別でないかが明確でないまま、差別を行っていることが多いのが実態です。「自分は外国人に対して否定的な感情を抱いていないから、差別をしていない」という説明をよく聞きますし、実際、そう考える日本人は多いはずです。しかしこの考え方は、半分は正解ですが、半分は間違っています。
外国人に対して否定的な感情をもっていなくても、知らず知らずのうちに差別をしているかもしれないのです。
差別は見ることはできないし、差別の経験談でさえ差別を十分に反映しているとは言い難いのが現状です。だから差別は一筋縄では捉えることができないのです。
では、何が原因で差別は引き起こされるのでしょうか。
本書は差別の実証研究を扱った入門書です。差別を「可視化」し、その実態を明らかにするための研究をもとに、差別の正体と、その原因、そして差別が当事者に何をもたらすのかを明らかにしていきます。
内容説明
差別とは何か?どのように捉えればいいのか?人種差別、性差別、障害者差別、性的指向差別…。私たちの周りでよく見聞きされる「差別」という言葉。しかし、差別ほどその存在を捉えにくいものはない。差別の調査は、多くの場合、差別される当事者に対して行われるため、その人が差別だと感じたことが、実は差別でなかったりするからである。それでは、何が原因で差別は引き起こされるのか。差別を「可視化」し、その実態を明らかにするための研究をもとに、差別の正体と、その原因、そして差別が当事者に何をもたらすのかを明らかにする。
目次
序章
第1部 差別とは何か(差別の理論と検証;どんな場面で差別が起こるか;差別が人々に与える影響)
第2部 排外主義の要因(排外主義とその研究史;排外主義の要因)
第3部 差別と排外主義は減らせるか(差別や排外主義を減らすために)
終章
著者等紹介
五十嵐彰[イガラシアキラ]
大阪大学人間科学研究科准教授。1988年北海道生まれ。東北大学文学研究科行動科学専修博士課程修了。博士(文学)。立教大学社会情報教育研究センター助教などを経て、2021年より大阪大学人間科学研究科講師、23年より同准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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