出版社内容情報
〈個別の環境問題の解決を社会の転換に結びつけるために〉
持続可能な社会への転換は多くの人に共有されている目標であり、数々の取り組みが行われてきたにもかかわらず、なぜ達成できないのか。
不正義の解消と公正の実現を追求しながら、個別の取り組みの成果を社会の変化につなげる道筋を探り、持続可能な社会への転換を達成する方途を考える。
〈なぜ、環境問題の解決は目標に向かって一直線に進まないのだろうか。何が紆余曲折を生み出すのだろうか。
本書の立場は、個別の環境問題の一部については部分的に解決しているととらえるものの、社会全体では持続可能な方向に進んではいないと考える。
持続可能な社会への転換は、既存の取り組みの延長では実現しないだろう。社会の大きな変化が伴うことを視野に入れておく必要がある。
転換の実現は、今ある社会を前提とした常識が変化することでもある。常識を見直しながら必要となる変化に柔軟に対応していくことで、持続可能な社会への転換の道筋がみえてくるのである。--編者〉
【執筆者】立石裕二/篠木幹子/藤原なつみ/金太宇/笹岡正俊/佐藤圭一/小野奈々/スティーブン・R・マックグリービー/大門信也
内容説明
個別の環境問題の解決を社会の転換に結びつけるために。持続可能な社会への転換は多くの人に共有されている目標であり、数々の取り組みが行われてきたにもかかわらず、なぜ達成できないのか。不正義の解消と公正の実現を追求しながら、個別の取り組みの成果を社会の変化につなげる道筋を探り、持続可能な社会への転換を達成する方途を考える。
目次
持続可能性とは何か
1 環境問題の解決過程の蛇行性(持続可能な社会への転換はいかにして可能か SDGsの課題とその先への道筋;廃棄物問題への取り組みは、いかに揺れ動いてきたか;再生紙は本当に「環境にやさしい」といえるのか 環境問題の情報化と科学・技術の役割;環境に配慮した行動は広がっているのか)
2 対策の制度化とその限界(中国におけるリサイクルシステムの制度化とごみに携わる人びとの生活 国家主導型ガバナンスの予期せぬ社会的影響;環境・人権を守る企業の取り組みは何をもたらしたか 自主規制ガバナンスの「進展」による被害の不可視化;気候変動は企業の自主的取り組みで解決できるのか;有機農業はなぜ広がらないのか)
3 持続可能な社会への道筋をどう描くか(協働の時代における湖沼環境保全活動の成果 霞ヶ浦からの問い;日本における持続可能社会論の展開 エントロピー学派を中心に;トランジション理論の有効性と課題)
持続可能な社会への隘路を越えて
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