出版社内容情報
福島県郡山盆地の南端、阿武隈川東岸の丘陵に築造された古墳群には、滑石などのやわらかい石で刀子や斧、剣、鏡などをかたどった祭祀遺物“石製模造品”が副葬されていた。東北地方の要衝の地に、数世代にわたって活躍した小首長たちの葬送と祭祀の世界にせまる。
内容説明
福島県郡山盆地の南端、阿武隈川東岸の丘陵に築造された古墳群には、滑石などのやわらかい石で刀子や斧、剣、鏡などをかたどった祭祀遺物“石製模造品”が副葬されていた。東北地方の要衝の地に、数世代にわたり活躍した首長たちの葬送と祭祀の世界にせまる。
目次
第1章 真っ赤に塗られた石棺(正直二七号墳;開かれた南箱式石棺 ほか)
第2章 多彩な正直古墳群(最大の円墳二一号墳と前方後方墳三五号墳;さまざまな中期古墳 ほか)
第3章 正直古墳群と同時代の集落(清水内遺跡;清水内遺跡に住んだ人びと ほか)
第4章 大安場一号墳と建鉾山祭祀遺跡(大安場一号墳;建鉾山祭祀遺跡)
第5章 正直古墳群の意義(下位首長層の墳墓;石製模造品と葬送儀礼 ほか)
著者等紹介
佐久間正明[サクママサアキ]
1968年、福島県郡山市生まれ。明治大学文学部卒業、東北大学大学院修了。博士(文学)現在、郡山市文化・学び振興公社勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月をみるもの
13
おっと、まだ出版されてあまり時間がたってないからか、自分が初めてのレビューアーではないですか(光栄)。正直古墳群の最大の特徴が多量に出土した石製模造品。全国的にどう分布し、それぞれの地域にどういうつながりがあるのか、正直古墳群から見えてくることは多い。先日巨大蛇行剣がみつかって話題になった奈良の富雄丸山古墳と、地元茨城大洗の車塚古墳ではそっくりの石製模造品が出土している。両者の関係を解き明かす上でも、本書の内容は重要な鍵となりそう。2023/05/19
うしうし
4
福島県郡山市に位置する5世紀代を主体とした正直古墳群の概説。カラー写真と図面を用いて展開される遺跡の説明が興味深い。正直21号墳は1970年の発見・調査(今から50年以上前・著者である佐久間は2歳頃?)で、石棺の実測図のチープさが当時の考古学的な水準を表しているようで、こちらも面白い。古墳群の被葬者は「日常的な農業生産の場で共同作業を行う」「共同体の代表者」の「下位首長層」であるとする。この時期には古墳群の周辺に大型古墳が確認されていないことや石製模造品の検討から、2023/06/04
kaz
1
最初「正直」が固有名詞とは思えなかった。開発していた業者も、古墳とわかって正直焦ったのではないか。図書館の内容紹介は『祭祀遺物“石製模造品”が副葬されていた、福島県郡山盆地の南端、阿武隈川東岸の丘陵に築造された古墳群。東北地方の要衝の地に、数世代にわたって活躍した首長たちの葬送と祭祀の世界にせまる』。 2023/06/10
ナオ
0
滑石製模造品により、集落や他地域との関係が解明できる重要な遺跡。2024/11/08
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