出版社内容情報
大陸、サハリン、日本列島…文化の交差点で生きた人々の選択とは?
古代の北海道では、縄文文化の流れをくむ擦文文化やオホーツク海沿岸の文化が展開していた。12世紀以降、そこに本州のヤマト文化、さらに大陸北方民族の文化が合わさることで生まれたアイヌ文化。その実像にせまる!
内容説明
大陸、サハリン、日本列島…文化の交差点で生きた人々の選択とは?古代の北海道では、縄文文化の流れをくむ擦文文化やオホーツク海沿岸の文化が展開していた。12世紀以降、そこに本州のヤマト文化、さらに大陸北方民族の文化が合わさることで生まれたアイヌ文化。その実像にせまる!
目次
第1章 アイヌ文化へのまなざし
第2章 アイヌ研究の歴史
第3章 アイヌ文化成立前の北海道―アイヌ文化前史
第4章 アイヌ文化の形成と特徴
第5章 和人の進出とアイヌ文化の変容
第6章 本州アイヌと樺太アイヌ
第7章 アイヌ考古学の展望
著者等紹介
関根達人[セキネタツヒト]
1965年、埼玉県生まれ。東北大学大学院博士前期2年の課程修了。博士(文学)。弘前大学人文社会科学部教授。第31回濱田青陵賞。第6回日本考古学協会賞(大賞)。第3回北海道考古学会賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くものすけ
15
苫小牧のウポポイではまったく見えてこなかったアイヌ文化が本書で少し理解出来ました。和人(内地人)との友好的な共存状態が続いた様子があります。勿論、後から北海道に入って来た和人の振る舞いを面白く思わない一面もあり、闘う場面もあり。遺跡に残された品々から当時の交流の様相がくっきり浮かび上がって来るところも興味津々でした。現在アイヌコタンのある阿寒、白老だけが嘗てのアイヌの居住地域ではなく北海道全域、北東北、更には樺太まで分布していたというから驚きです。2025/02/20
takao
2
ふむ2023/12/27
月音
1
アイヌは文字記録、絵画を持たない。数少ない和人側の記録は一部を除き恣意的で正確とはいいがたい。自製品の衣服・生活用具は動植物素材のため土中で分解され、後世に残りにくい等々。アイヌの考古学・歴史研究は、なかなかに難しそうだ。本書は北海道・本州・樺太アイヌの史料を広く提示し、個々の特徴、狩猟採集から交易主体となる歴史・文化形成の過程を論述。限られた史料でも説得力のない推論、大胆な仮説を立てない堅実な考察は、読み手に自然と物からそれを使用する人間への想像を促す。⇒続2024/02/19