韓国文学セレクション<br> さすらう地

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韓国文学セレクション
さすらう地

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  • サイズ 46判/ページ数 312p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784787722218
  • NDC分類 929.13
  • Cコード C0097

出版社内容情報

「ママ、ぼくたち“るろうのたみ”になるの?」

1937年、スターリン体制下のソ連。
朝鮮半島にルーツを持つ17万の人々が突然、行き先を告げられないまま貨物列車に乗せられ、極東の沿海州から中央アジアに強制移送された。
狭い貨車の中で語られる人々の声を物語に昇華させ、定着を切望しながら悲哀に満ちた時間を歩んできた「高麗人(コリョサラム)」の悲劇を繊細に描き出す。

《さすらう地。さすらう闇。さすらう人々。
この物語は、この世界を彷徨い生きるすべての者の物語なのだ。》--姜信子

「キム・スムはこれまでも、一貫して「可視化されなかった苦痛、語りえなかった苦痛」を詳細に記録することで、忘れられゆく記憶を甦らせてきた。1937年の史実に基づくこの作品は、貨車の中で各々が語る身の上話や会話によって、見知らぬ土地で生き抜いてきた高麗人の歴史を重層的に浮かび上がらせている。」--訳者

内容説明

「ママ、ぼくたち“るろうのたみ”になるの?」一九三七年、スターリン体制下のソ連。朝鮮半島にルーツを持つ十七万の人々が突然、行き先を告げられないまま貨物列車に乗せられ、極東の沿海州から中央アジアに強制移送された。狭い貨車の中で語られる人々の声を物語に昇華させ、定着を切望しながら悲哀に満ちた時間を歩んできた「高麗人」の悲劇を繊細に描き出す。

著者等紹介

キムスム[キムスム]
1974年、韓国蔚山広域市生まれ。1997年、作家デビュー。多数の長編と短編集を発表。疎外された弱き人、ルーツを失った人を見つめ、人間の尊厳の歴史を文学という形で甦らせてきた。李箱文学賞、現代文学賞、大山文学賞などの主要文学賞を受賞。2020年発表の『さすらう地』で東仁文学賞、楽山金延漢文学賞を受賞

岡裕美[オカヒロミ]
同志社大学文学部、延世大学校国語国文学科修士課程卒業。第十一回韓国文学翻訳新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

23
複数の語り手が交錯してこれまでの来し方と列車の中での不安を語る。実際にあった韓国人強制移送をベースとした小説。2022/07/24

kibita

18
貧しさ故にソ連に渡り、不毛の地を開拓した朝鮮半島由来の人々。突然立ち退きを告げられ、目的地も分からず50両もの家畜運搬貨車に詰め込まれる。母親がロシア人なら残れる、父親がロシア人ならば朝鮮人と見なされるのは何故か。一つの車両内での、交錯する言葉で成り立つ本作。自分達は何者なのか、人間なのか。今もこんなことがまたもや世界で起きている。私達が民族という範疇にいる限り、いつ同じ目に遭うもしくは遭わせるのではないかと思うと、人間の業とは本当に恐ろしい。それでも人々は、新たな不毛の地で生き抜いていく。2023/01/09

のりまき

17
困窮によりロシアに逃れて、貧しいながらも何とか暮らしていた朝鮮の人々は、スターリン政権下で全てを奪われ、貨車によって運ばれる。過酷な状況の中、どこにもたどり着かないで永久に運ばれる続けるのではないかと思った。乗車している人々の断片的に語られる過去は、誰のものかわからなくなってしまう。ああ、これは日本にソ連に蹂躙される朝鮮の人、皆の物語なのだな。2022/07/02

フランソワーズ

11
他国の為政者たちの思惑に翻弄される韓民族。”わたしは何者?”という問いを抱きながら、アイデンティティまでは失うまいと健気に生きる姿。強制的に移送される貨物列車の中の凄惨を極めた環境下にあっても、必死に生き抜こうとする姿。私たちの想像をはるかに越えています。その悲哀を、詩的ともいえる文章で描いています。(ターニャが死んだ赤ん坊を爆走する列車から荒涼とした大地に捨てる箇所、泣いてしまいました)2022/08/02

よしじ乃輔

10
故郷朝鮮半島の困窮した生活から逃れる為、ロシアへ渡った人たちとその子孫達。中央アジアへ強制移住させられた高麗人17万人の史実なのですね。トイレもない、食べ物もない家畜列車での輸送時に乗り合わせた家族たちの物語。当時の高麗人の状況や、ロシアの政策を知る。図らずもウクライナの人達も強制輸送されたとの事。耐え難い苦痛を今日も世界のどこかで受けているかもしれない人々がいる。国とは、命とは。平等な世界などどこにもないが、それでも人は生きるのだ。2022/07/26

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