出版社内容情報
大規模なアブラヤシ農園開発と石炭開発が拡大するカリマンタン。
私たちが毎日、パーム油と石炭を消費する裏側で、熱帯林と焼畑民の社会は根本から改変されようとしている。
開発に直面した焼畑民は何を考え、どのように生きているのか。
現場の実態を民族誌的に明らかにすることを通して、人々の暮らしの次元から土地開発の意味や問題を再定位し、これからの熱帯林と焼畑社会、開発のあり方を考える。
内容説明
大規模なアブラヤシ農園開発と石炭開発が拡大するカリマンタン。私たちが毎日、パーム油と石炭を消費する裏側で、熱帯林と焼畑民の社会は根本から改変されようとしている。開発に直面した焼畑民は何を考え、どのように生きているのか。現場の実態を民族誌的に明らかにすることを通して、人々の暮らしの次元から土地開発の意味や問題を再定位し、これからの熱帯林と焼畑社会、開発のあり方を考える。
目次
序章 岐路に立つカリマンタンの森と焼畑民
第1章 焼畑民の生活環境
第2章 自然資源利用の組み合わせ
第3章 土地開発に対する対応戦略
第4章 慣習的資源利用制度の再編
第5章 労働形態の再編
第6章 贈与・交換慣行の再編
終章 開発の森を生きる焼畑民
著者等紹介
寺内大左[テラウチダイスケ]
1983年、大阪府生まれ。2013年、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程単位取得退学。博士(農学)。現在、筑波大学人文社会系准教授。専門は環境社会学、インドネシア地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
16
インドネシア・カリマンタンの焼畑先住民ダヤック人の中で、ブヌアと呼ばれる諸民族の一つの村を対象に、2000年以降の、土地開発と民主化・地方分権化における焼畑民の自然資源利用の組み合わせや、土地開発への対応などを包括的に分析している。アブラヤシ農園開発や石炭開発による森林の皆伐など、焼畑社会の社会制度(相互扶助と資源利用制度)への影響に対し、焼畑民の生計戦略をとことん深掘りし詳細に明らかにしている点が本書のポイント。焼畑民の柔軟性・想像力・バランス感覚。このあたりも重要なキーワード。2025/07/08