出版社内容情報
明治維新の総仕上げ、国内最後の内戦となった西南戦争。その最大の激戦となった田原坂の戦いは従来、伝聞や伝承などのイメージばかりが先行して、戦いの実相はよくわかっていなかった。考古学的調査などから具体的な戦いの実態をあぶり出し、リアルな田原坂を追究する。
目次
第1章 西南戦争とは何か(近代国家確立の礎;西南戦争の時期区分 ほか)
第2章 最大の激戦地、田原坂(熊本城救援の道;田原坂の戦い)
第3章 田原坂を掘る(さまざまな調査;両軍衝突の最前線 ほか)
第4章 地形で勝ち、地形に負ける(地形を読み解く;難攻不落、田原坂の実体)
第5章 そして、音は消えた(田原坂にまつわる虚と実;イメージからリアルへ)
著者等紹介
中原幹彦[ナカハラミキヒコ]
1957年、熊本県生まれ。國學院大學文学部卒業。現在、熊本市立熊本博物館学芸員。考古担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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入院中の雨巫女。
11
《私-図書館》田原坂は、意外と違い。しかし、心霊スポットでも、有名。乃木さんや西郷隆盛さんが、好きで、やはり、ターニングポイントだと思ってる。2022/08/06
うしうし
4
あまり興味のない時代や分野であったため、斜め読み。しかしながら、西南戦争の調査に考古学が大きな役割を発揮することを実感。地表・地下のみならず、立木にも銃弾が撃ち込まれていることが調査で確認されたことも興味深い。いわゆる「かちあい弾」などから想定される歴史のイメージに変更を迫り、リアルな歴史像を求める研究姿勢にも敬意を払いたい。 *本書でも十分語られているように、銃弾などの遺物は出土地や出土状態が明らかであることが大切であるため、単なる個人的な興味や趣向で遺跡を訪れ、銃弾などを持ち帰ることは厳に慎むべき。2022/05/03
onepei
2
田原坂に行ったときには下をよく見ながら歩きたいと思う2022/03/06
Jirgambi
1
西南戦争の考古学的成果。興味深い事この上なし。内容も西南戦争初心者にも易しい。現物は資料記録とは別の方法で事実を語っている感、読んでて半端ない。もしかして、これを頼りに自分も田原坂へ行ったら、まだまだ銃弾等々を発掘できる可能性がある…? 俄然、スコップ片手に田原坂を訪れたくなった。2022/01/28
卍ザワ
0
田原坂のフィールドワーク、及び解説。小冊子、現地の解説が主だが、少しわかりにくかった。地元になるから、本書を手に、実際に現地を確認してみたい。2024/01/04