出版社内容情報
発見時の鮮やかだった高松塚壁画群が、国宝となり文化庁が管理する間に、カビの大発生、作業時の損傷、そして石室解体へ。壁画劣化は防げなかったのか? 古代史ブームを巻き起こした高松塚壁画がたどった道のりを新聞記者が丹念に追ったルポルタージュ。
「世界に例を見ない極上の壁画を後世に残そうと努力を重ね、格闘した担当者たちの苦悩があったことも事実だろう。だからこそ私は、高松塚古墳の壁画はなぜ、「白虎」の描線が消えたり、「飛鳥美人」や「青龍」が黒カビに汚染されたりするほどに劣化したのかを問いたい。」
内容説明
発見時の鮮やかだった壁画群が、国宝となり文化庁が管理する間に、カビの大発生、作業時の損傷、そして石室解体へ。壁画劣化は防げなかったのか?古代史ブームを巻き起こした高松塚壁画がたどった道のりを新聞記者が丹念に追ったルポルタージュ。
目次
プロローグ 消える白虎―隠された真実
第1章 壁画発見―衝撃の女子群像
第2章 高松塚の謎とキトラ壁画
第3章 カビとの闘い―苦悩の保存処理
第4章 劣化発覚
第5章 白虎の悲鳴―現地保存か、解体か
第6章 ずさんな実態次々発覚
第7章 飛鳥と明日香、地元の思い
第8章 始まった石室解体
第9章 劣化は複合汚染
エピローグ 文化財はだれのもの
著者等紹介
大脇和明[オオワキカズアキ]
1959年生まれ。鹿児島県で育つ。明治大学文学部史学地理学科(日本史専攻)卒業。合同出版編集部などを経て、1985年に朝日新聞社入社・和歌山支局を振り出しに、富山・魚津通信局長、川崎支局、東京本社整理部、富山支局、東京本社企画報道室、地域報道部、奈良・橿原支局長、大阪本社生活文化部・社会部、金沢総局次長、東京本社社会部・立川支局長などを経て、現在フリー。桜町遺跡(富山)、奥三面遺跡群(新潟)、宮畑遺跡(福島)などの縄文遺跡のほか、奈良・大阪などの関西、北陸、中国地方の古代遺跡や古墳をはじめ文化財関連の取材・執筆多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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