出版社内容情報
縄文ブームのなかで、ともすればイメージで縄文時代が語られていないか。当時の社会や暮らしはどこまでわかっているのか。縄文時代の疑問点、もう少し深く知りたい論点を、一問一答形式で答える。縄文時代の身分・階層・戦争など最新の争点を解説。
内容説明
縄文ブームのなかで、ともすればイメージで縄文時代が語られていないか。当時の社会や暮らしはどこまでわかっているのか。縄文時代の疑問点、もう少し深く知りたい論点を、一問一答形式で答える。
目次
第1章 縄文時代研究事始め
第2章 縄文時代の研究と論争をみる
第3章 縄文時代の開連学問をみる
第4章 縄文人の道具をのぞく
第5章 縄文人の生業と技術を探る
第6章 縄文人の生活と社会を考える
第7章 縄文時代の争点を考える
著者等紹介
勅使河原彰[テシガワラアキラ]
1946年、東京都生まれ。1975年、明治大学文学部卒業。文化財保存全国協議会常任委員。「第2回尖石縄文文化賞」「第13回藤森栄一賞」受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さくら咲く
19
縄文時代には元々興味があった。日本の有名どころの遺跡は何件か訪れている。最近見学した住まい近くの遺跡を訪ねた際、在住地近郊にかなりの数のそれがある事を再認識。灯台下暗し。そんなことからこの本を手に取ってみた。我が県が縄文中期に爆発的に遺跡が増えた地域だったと学んだ。自分の人生が後何年あるのか等と考え始めた昨今、一万年もの昔に思いを馳せじっくりと発掘から広がる説の広げ方捉え方など考古学の諸々を楽しめた一冊だった。寿命が10代前半だった彼ら、いかに過酷だった事か。日々大切に生きて行こうと思える。2022/05/31
佐藤一臣
9
コンパクトにまとまっており、縄文文化を様々な角度から説明している。貝塚の巨人伝説ダイダラボッチは、今の海岸線にない内陸に貝塚があることから巨人が海まで腕を延ばしたということ。石器天降説も面白い。中期の中部高地発展が縄文農耕論説を生み出し、骨製の縫針では穴が開けられているので、ほぼ現在と同じ形であったり、農耕論はやはり狩猟採集の補助的栽培に過ぎないとか、示唆に富む。また、備蓄システムがなかったことから生産物の拡大再生産に走らず、実用性のない記念物や芸術や多様な食生活などに時間と労力を割いたと結論づけている。2022/04/12
たーぼ
4
国宝土偶ガチャにハマり、縄文を知りたくなって手にとった本。縄文人の発祥や生活、歴史的・地理的な分布やもちろん土器・土偶の分類まで、学術的な考察も分かりやすく書かれており一般人にも馴染みやすい。著者の縄文への傾倒と、現代文明批判も垣間見えて、堅さ一辺倒ではないところも魅力。図書館で借りたが、購入を考えてます。2022/04/30
アルクシ・ガイ
2
図書館本です。110の問題を、飛び飛びに。本来なら枕頭に置いて寝しなに1項ずつ読みたいのだが、110日は借りられない。2022/11/23
とりもり
2
前半は縄文時代を巡る学術的な論争などの紹介が結構延々と続くのでちょっと退屈。後半は、道具・住居・生活などの興味深いトピックに関する記述が多く、とても興味深く読めた。全体に一般読者を想定したというよりも学術書チックな感じがするが、縄文時代を網羅的に知るには良い本かと。土偶に関する記述が少なかったのが残念だけど、逆に言えば、一般人が縄文時代のアイコンとして重視する土偶は学術的にはそこまで重視されていないということなのかも。★★★☆☆2022/01/10