内容説明
白く塗った石室壁面に赤い円文や三角文を描いた装飾古墳、古墳のある台地の斜面に連なる東日本最大級の横穴墓群、太平洋に面した崖にならぶ石棺墓―古墳時代後期、茨城県ひたちなか市の那珂川流域にこれらの墓を造営したのはだれか、そして装飾古墳の本場、九州との関係は。
目次
第1章 虎塚古墳をさぐる(壁画との出会い;虎塚古墳の発掘調査;少ない石室内の出土遺物;地域からみた虎塚古墳)
第2章 虎塚古墳の壁画をさぐる(壁画の図像;常陸の装飾古墳の特徴)
第3章 十五郎穴横穴墓群をさぐる(未開口横穴墓の発見;十五郎穴の発掘調査;東日本最大級の横穴墓群;構造・儀礼・副葬品;横穴墓の再利用;古墳と横穴墓の関係)
第4章 海でつながる文化(那珂川下流域の古墳;太平洋岸の石棺墓;海でつながる古墳時代の文化;古墳時代から古代へ;地元の宝・虎塚古墳と十五郎穴)
著者等紹介
稲田健一[イナダケンイチ]
1969年、茨城県勝田市(現・ひたちなか市)生まれ。1993年、立正大学文学部史学科卒業。現在、(公財)ひたちなか市生活・文化・スポーツ公社ひたちなか市埋蔵文化財調査センターに勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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月をみるもの
14
虎塚古墳の石室見にいく前に読んでおくべきだったと後悔したが、すぐに「もっぺん行って海岸沿いの古墳群も合わせて見てくればいいのだ」と思い直す。。。すぐ隣にある十五郎穴横穴墓群や、九州の装飾古墳とのつながりなど、知りたかったことが、そのまま書かれていて、最近の研究の進捗に感動。それにしても未盗掘の古墳を最初に発見した人たちは、マジで羨ましいとしか言いようがない。。。2019/09/01
うしうし
7
茨城県ひたちなか市に所在する、7世紀前半の装飾古墳「虎塚古墳」やその周辺に群集する「十五郎横穴墓群」を紹介する書籍。江戸時代における海運・陸運ルートを参考にしながら、虎塚古墳の装飾技法や石室構造・出土遺物の背景に、九州を含めた海を望む地域との交流を想定する(p84-85)。2019/06/16
もるーのれ
2
虎塚古墳は茨城県の太平洋岸に立地する古墳である。装飾古墳の意匠であるとか、出土した副葬品、また古墳周辺での埋葬形態などについて、太平洋沿岸や果ては九州にまで共通の事例を見出すことができるというのは驚きである。2020/03/08
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