内容説明
“戦後”的価値観の危機は、“他者”の消去の上にそれが形成された過程にこそ本質的な問題がある。捨象の体系としての「戦後思想」そのものを鋭く問い直す。
目次
消去を通してつくられた「戦後」日本
1 思想―消去の政治(「戦後日本」に抗する戦後思想―その生成と挫折;捨象の思想化という方法―丸山眞男と朝鮮;戦後の復旧と植民地経験の破壊―安倍能成と存在/思惟の場所性)
2 制度―配置の力学(「強制連行」と「強制動員」のあいだ―二重の歴史化過程のなかでの「植民地朝鮮人」の排除;人権の「誕生」と「区画」される人間―戦後日本の人権制度の歴史的転換と矛盾)
3 表象―交錯の風景(縦断した者、横断したテクスト―藤原ていの引揚げ叙事、その生産と受容の精神誌;「朝鮮人死刑囚」をめぐる専有の構図―小松川事件と日本/「朝鮮」)
著者等紹介
権赫泰[クォンヒョクテ]
1959年生まれ。韓国・聖公会大学校日本学科教授。日韓関係史および日本現代史専攻
車承棋[チャスンギ]
1967年生まれ。韓国・朝鮮大学校国語国文学科助教授。韓国近代文学・思想専攻
中野宣子[ナカノノリコ]
翻訳家、韓国語講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。