内容説明
文化財の破壊、盗掘、略奪…その背景に宗教があるのか?なぜ繰り返されるのか?イスラーム圏の諸国・地域における実情と、保護・活用に尽力する現地の取り組みを報告する。
目次
南西アジア・中央アジア
西アジア
アラビア半島
北アフリカ
バルカン半島・トルコ・コーカサス
南アジア
東南アジア
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
33
イスラーム圏での文化財保護と破壊etcについて各地域ごとの問題点や対策、どんな活動がといった報告をまとめられた本。タリバーンによるバーミヤンの大仏破壊の話もいわゆる偶像破壊というのがメインではなく、バーミヤン周辺にいたハザラ人がシーア派だったことでタリバーンに長らく抵抗し続けたのもあるのか。と思ったり。イラクやシリアでのダーイシュによる大規模なあれに立ち向かう人々がいたり(エジプトの博物館や図書館を人の鎖で守った若者がいたり)というのはちょっと嬉しくなる(でもそれがために拉致され斬首されちゃった人も2016/06/10
ヨシオ・ペンギン
1
文化財がどのような扱いを受けてきたか。もちろん,ISやボスニアの惨状は重要なことなんだけれど,文化財それ自体に価値があるという考え方というよりは,文化財を巡って人々がどのように行動してきたかという視点がより大切になる気がした。文化財は時間を経て現在にまで残っている「歴史」を表すものであり,それに接する態度はすなわち歴史にどのような態度で接するかがはっきりと現れていく。文化財は価値あるものという思想が先行して守るべきだという価値の注入になりがちだが,なぜ守られてきたのかに焦点を当てる必要もあると思う。2019/02/23
うみ
1
イスラーム圏各地域での文化財破壊の状況や保護のしくみについて,できるだけ最近の情報を紹介しつつ解説。やっぱりシリアの状況というのが気になるし,胸が痛むんだけども,個人的に一番衝撃だったのは旧ユーゴ。戦闘行為での破壊だけではなくて,敵対勢力のアイデンティティやコミュニティにダメージを与えるための文化財破壊。文化財の保護は大事で訴えていくべきことだけど,この観点からの破壊を防ぐことも伝えていかないといけないんだな。違う文化圏の人が遺したものを現在の国でどう守って伝えていくかも。2015/11/14
takao
0
ふむ2019/08/05