内容説明
戦後間もない一九四七年、大阪府茨木市の未盗掘古墳が発掘され、鏡や腕輪形石製品など多くの副葬品が出土した。近年の再調査では前方後円墳であることも確認された。前期古墳の埋葬の実態や、首長たちの政治的関係の解明に大きな役割を果たした注目の古墳を解説。
目次
第1章 未盗掘の竪穴式石槨(一九四七年の発掘調査;多種多量の副葬品)
第2章 前期古墳研究の進展と紫金山古墳(小林行雄氏の前期古墳研究;稀少な副葬品目への注目)
第3章 墳丘・副葬品の再調査(再調査の経緯;墳丘の測量調査と発掘調査;副葬品の再調査)
第4章 紫金山古墳をめぐる時空(編年的位置;地域間交流の諸相;東アジア世界と紫金山古墳)
第5章 地域史のなかの紫金山古墳(周辺に築造された後期古墳;三島古墳群の動向と紫金山古墳;残された課題)
著者等紹介
阪口英毅[サカグチヒデキ]
1971年、和歌山県生まれ。京都大学文学部史学科考古学専攻卒業、同大学大学院博士後期課程中途退学。京都大学埋蔵文化財研究センター助手を経て、京都大学大学院文学研究科助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月をみるもの
7
未盗掘のまま1947年に発掘された紫金山古墳。棺の内部や周囲に残されてた遺物の状況をみてとれる写真が多数掲載されている。もし自分で掘ってて、こんなん出てきたら興奮のあまり血管がきれそう。。 小林先生偉い人だったんだな。。大塚さんよりはもうひと世代上くらい??2018/12/24
うしうし
3
美しいカラー写真と図版で構成される「遺跡を学ぶ」は、考古学関連書籍の神シリーズであると感じている。2011年刊行の本書は今まで県図書にはなかったが、本日新刊本コーナーに並んでいるのを発見。早速借り読みした。古墳に興味があった学生時代に、紫金山古墳から出土した直弧文貝輪の実測図を色々な書籍で見たように記憶しているが、本書に掲載されている貝輪の鮮明なカラー写真を見て、改めて感動を覚えた。過去の調査記録や遺物の再整理が、1990~2000年代にかけて京都大学や大阪府立近つ飛鳥博物館で行われ、2015/10/17
ナオ
1
つぎの課題は石山古墳。2012/03/24