内容説明
真の継体天皇陵とされる大阪府高槻市の今城塚古墳。長年の調査によって、大王墓にふさわしいみごとな遺構がつぎつぎと発見された。とくに堤の張出から出土した精巧な形象埴輪群は、日本の兵馬俑ともいわれる。この埴輪群の意味を解読し、大王墓の実像を追究する。
目次
第1章 今城塚古墳の変貌
第2章 摂津と三島古墳群
第3章 今城塚古墳の実像
第4章 殯宮儀礼をうつす埴輪祭祀場
第5章 継体大王と今城塚古墳
第6章 考古資料が語る継体王権の基盤
著者等紹介
森田克行[モリタカツユキ]
1950年、大阪府生まれ。龍谷大学文学部史学科(考古学専攻)卒業。高槻市教育委員会埋蔵文化財調査センター所長、文化財課長、地域教育監を経て、現在、今城塚古代歴史館館長。高槻城跡、安満遺跡、安満宮山古墳、今城塚古墳、闘鶏山古墳、新池遺跡、阿武山古墳、昼神車塚古墳など多数の遺跡の調査と研究にかかわる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月をみるもの
15
近くにある太田茶臼山古墳が誤って継体天皇陵と比定されているおかげ(?)で、宮内庁管理下にない「歩ける天皇陵」=今城塚古墳。ではなぜ今城塚こそが継体天皇陵だとわかるのか? 文献を渉猟するだけではどこまで行っても解釈や思い込み以上のものにはならないが、両者から出土するハニワとの形式と、そのハニワを焼いた埴輪窯跡である新池遺跡の地磁気年代測定が決定打となった。こちらも再読せねば: https://bookmeter.com/books/69377182019/01/19
うしうし
3
同シリーズ『岩戸山古墳』を読み、継体大王との関わりが述べられていたので、復習の意味で再読。『岩戸山古墳』で触れられていた馬門石(ピンク石)製石棺や捩り環頭太刀・広帯二山式冠(継体大王期に特徴的な威信財とされる)についても解説がなされている。2014/12/14
坂津
1
継体天皇の真陵と考えられている大阪府高槻市の今城塚古墳について、発掘調査の成果をふまえて概説した書籍。以前現地を訪れた時には古墳北側の張出部に並べられた埴輪(レプリカ)の多さ、祭祀場としての壮大さに圧倒されたが、本書を読むことで、区画ごとに性質が異なる殯宮儀礼が再現されていたのだと理解できた。今城塚古墳の埴輪の豊富さは、筑紫君磐井の墓と目される福岡県八女市の岩戸山古墳が石人石馬の宝庫とされる点と対比的で興味深い。盗掘や伏見地震による破壊を経ても横穴式石室の様子をある程度までは推測できることに感動した。2020/11/10
津島澪
1
写真が多くて楽しかったけど、ちょっと難しいかも。2017/12/30