内容説明
日韓両国における様々な考古学的発見によって、「日本列島で自生した固有の文化」をもつ日本民族説は、多くの疑念につつまれることになった。アジア全体を視野におき、伽耶諸国の実体に迫りながら、日本人のルーツを追い求める。
目次
第1章 日韓文化の相似点と相違点―果たして兄弟国か?
第2章 日本古代史における朝鮮―どこが問題なのか?
第3章 古代東アジアの歴史
第4章 朝鮮半島の歴史
第5章 伽耶諸国の地理と歴史
第6章 日本と朝鮮の歴史の復元
第7章 『日本書紀』をどう読むか?
第8章 それぞれの道を歩んで
著者等紹介
澤田洋太郎[サワダヨウタロウ]
1927年東京に生まれる。1951年東大法学部政治学科卒業。同年都立江戸川高校社会科教諭を初めとして高校教師を勤め、1982年都立大学付属高校教頭にて退職。以後、執筆活動にいそしむ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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カットマン
1
日本の歴史は長い。著者に違和感があるとすれば、「日本の独自文化」の否定である。ルーツはそうであったとして、故郷の任那を離れた元祖ヤマト人は大多数を占める被征服民である縄文人や他の古株渡来人から影響を受けなかったというのだろうか。所々に披露される日本人の短所への揶揄。うーん。何だかなぁ。2018/07/07
レアル
1
我々日本人は「単一民族」だと思われがち。日韓の歴史や文化等の相違点を勘案しながら、日本のルーツは伽耶にある!と仮説する本。日本のルーツについていろんな説があるのが、この説もなかなか面白い。2012/06/01
ヨシモト@更新の度にナイスつけるの止めてね
0
史料をもっと素直に読み、自由に考えようというのが著者のスタンスなのだろう。日本の古代史を考えるうえで、地名や人名のヨミは非常に大切なものだが、それを手掛かりに導き出される仮説には大変興味をそそられた。諸々の仮説から、突然結論を述べてしまうのも、学者ではないからこその自由だ。その点多くのひっかかりはあったものの、意欲的でおもしろい説だった。ただこの書名は、読者を少々遠ざけてしまうかもしれない。2020/07/04