内容説明
鶴見俊輔は、第2次世界大戦後より今日に至るまで、プラグマティズムの立場から日本社会に対して積極的に発言を続けてきた思想家である。混沌とした21世紀を生きるわれわれにとって、今なお多くの示唆に富む彼の思想を多方面から論じ、そのエッセンスを紹介する。
目次
第1章 プラグマティズムについて―『アメリカ哲学』(一九五〇年)、『折衷主義の立場』(一九六一年)解題
第2章 民主主義について―『私の地平線の上に』(一九七五年)
第3章 アナキズムについて―「方法としてのアナキズム」(一九七〇年)と「リンチの思想」(一九七二年)
第4章 個人と組織の問題について―『期待と回想』上(一九九七年)
第5章 転向について―「転向研究」(一九五九~一九六二年)と『転向再論』(二〇〇一年)
第6章 日本のアイデンティティーについて―吉田満『戦艦大和ノ最期』(一九五二年)をめぐる論争
第7章 家族について―『家の神』(一九七二年)
著者等紹介
木村倫幸[キムラツネユキ]
1946年三重県に生まれる。大阪大学大学院文学研究科修士課程(倫理学専攻)修了。奈良工業高等専門学校教授
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感想・レビュー
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スパイク
23
前に読んだ本で、『プラグマティズムの主旨は役に立つこと。だから、解らなければ意味がない。』ということを学んだ(つもり)だったが、この本は難解。鶴見さんの『俗語を哲学の用語として新しく生かす。』という言葉も引用しておきながら日本の近代思想に精通していなければ楽しめないような議論のための議論本なんだから。私みたいなバカ者向に書かれた本でないのは確かであるから文句を言われる筋合いはないでしょう。けど、それでもプラグマティズムなんでしょ!”大衆”のために語るものでなく閉ざされたサークル内で語ってどうするつもりや!2015/08/30
ステビア
2
鶴見先生の本をこれから読もうという人に良いはず。私もその一人(笑)2013/10/07