内容説明
一七世紀中頃から一八世紀中頃にかけて、肥前窯で作られた精巧で優美な磁器は、東南アジアから中近東、ヨーロッパまで輸出された。窯跡の発掘調査や海外の遺跡から出土した資料、伝世品などの考古学的研究から、肥前窯発展の姿を明らかにする。
目次
第1章 肥前窯をどう調査したか(陶片のパズル;先行研究とその限界;考古学的な窯の研究方法)
第2章 肥前窯を発掘する(磁器のはじまりを追う;有田皿山の確立;「初期色絵」に対する疑問;窯の構造とその変遷;技術発展の流れの解明)
第3章 肥前窯発展の姿(肥前窯の編年の確立;時期区分と国内市場の席巻)
第4章 世界へ輸出された肥前磁器(東南アジアへの輸出;中近東、ヨーロッパへの輸出)
著者等紹介
大橋康二[オオハシコウジ]
1948年生まれ。青山学院大学院文学研究科史学専攻博士課程中退。佐賀県教育庁文化財課参事を経て、現在、佐賀県立九州陶磁文化館副館長。東洋陶磁学会常任委員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rbyawa
1
f040、漠然と読んでいたんですが世界のあちこちの地域から発掘されるというこの肥前窯の商品は、特にどのような品目というわけでもなく特定の名前もなく、しかし欧州でもオランダと交易があった国から見付かる、ということはあれか、輸出用に作られていたってことなのかな。確か中国のほうで陶磁器の作られなかった時期に需要があったって聞いたこともあるかもなぁ、なにしろ数が多く「特別な品」も少ないので情報の付き合わせが大変なようですが、割れた磁器の中から文字を探したり流通の時代ごとの分布を見たり、頭下がるなぁ、これも大変だ。2015/02/24