内容説明
「春って、どんなもの?」そうした子鹿の好奇心に親鹿は、やさしく応えます。心があたたかくなる南吉童話。
著者等紹介
新美南吉[ニイミナンキチ]
1913~1943年、愛知県生まれ。雑誌『赤い鳥』に「ごん狐」をはじめ、多くの童謡、童話を発表した。ほかに、少年小説や民話的メルヘン等、すぐれた創作活動を展開したが、二十九歳で早逝
鈴木靖将[スズキヤスマサ]
日本画家、創画会会友。1944年、滋賀県大津市に生まれる。万葉集をモチーフに絵を描き続けている。全国の万葉ゆかりの地を訪ねて万葉画展を開催。万葉のルーツを訪ねて、韓国各地、中国各地で万葉画展開催(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のっち♬
116
生まれてまだ一年にもならないので、春とはどんなものか知らない坊やの鹿。親子のほのぼのとしたやりとりには幼くして母親と死別した著者の憧れが、桜のかんざしを角に結ぶおじいさんには人間と動物の平穏な友愛への願いを感じられる。どちらも彼の作品全般に通底するモチーフで、おじいさんのやさしい表情を比較的細やかに描き込み、春の訪れや生き生き駆け巡る鹿たちを落ち着きのあるタッチで描いた鈴木靖将の作画は小さな命に温かな眼差しが注ぐ世界観の趣旨を丁寧に汲み取ったもの。鐘の音が遠くとも彼はこうした春の到来を待ち侘びているのだ。2023/06/16
モリー
57
人と動物が心を通い合わせる物語。心が春のような暖かさで満たされます。2020/04/12
ちえ
35
山には雪が残り、町には花がどんどん咲き始めている今の時期にぴったりな絵本でした🌸挿し絵は好きなタイプの絵ではありませんが、色使いは春そのものです。2019/05/13
遠い日
16
静かであたたかなお話です。子鹿の初めての春。山より早く里に来る春を見たくて、知りたくてしかたのない子鹿。花、花の香り、なにもかもが珍しく写る風景。美しい野山の風景と詩情あふれることばと絵。春が紙面から立ちのぼってきそうです。2015/05/23
ヒラP@ehon.gohon
15
のどかで、やさしさに包まれた絵本です。 まだ春を知らない小鹿が親に春ってどんなものかたずねます。 花が咲き始める季節。 花とはきれいなもの。 でも、花も知らない小鹿を包んでいるのは、春の訪れを教えてくれるものばかり。 鈴木靖将さんの絵も、春らしさいっぱいです。 やさしいおじいさんの登場も、素敵でした。2016/01/22
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