内容説明
さまざまの難事件を解決し、退職して私立探偵を開業したビーフ。兄の無罪を立証してほしいという依頼にビーフはなぜかいつもの名探偵顔負けの解決ぶりを発揮しない…。巧妙に仕組まれた謎、アガサ・クリスティーに匹敵するミスディレクション、そして思いもかけぬ解決。ブルースの名作第3作。
著者等紹介
小林晋[コバヤシススム]
1957年東京都生まれ。探偵小説を原書で読むようになって早20年、いよいよ病膏肓に入る。最近、レオ・ブルースの署名本を掘り出して詠める。”異国にて 目を疑いし 著名本 レオ・ブルースの これも縁か”。「ロープとリングの事件」「三人の名探偵のための事件」「死体のない事件」「国会議事堂の死体」の翻訳の他、若干の探偵小説関係の解説を手がける
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やっす
14
久々のレオ・ブルース。久々のビーフ巡査部長。相も変わらず一筋縄ではいかない作品を書いてくれますね。シリーズの三作目に当たる本書は、一作目、二作目とは違ってかなり地味~な滑り出しから始まり、中盤から後半に至ってもそれは変わらず、地味な展開に終始します。ん~今回はハズレかなと諦めかけたのですが、ラスト数ページに至り一気に事件の構図が明らかになるとともに、表題の意味も理解された時大いに納得。言われてみればそこかしこに伏線があったのに、今回も最後まで見抜けませんでした。本書の楽しみ方や伏線・ミスディレクションと→2016/08/04
nightowl
2
レオ・ブルースの本気。長閑なようでいてしっかりパズラーな腕前に参る。主にハウダニットが優れている他、シリーズを順番に読んでよかった部分も有り。期待の新人が一皮剥ける瞬間に立ち会ったような気分。2021/03/14
cinos
2
名探偵の失敗にビックリしました。2011/07/12
UPMR
1
ビーフ(元)巡査部長シリーズ3作目。このシリーズのなかでは最も真相の意外性が強かった。テーマとしては探偵役の敗北が扱われており、他作品の名探偵に言及したりとメタな色合いも濃い。といっても、探偵役が事件を解決できないと小説に結末がつけられないから困るよねというあくまでカリカチュア的な扱いに留まるため、本書での結末も結局そうした皮肉から逃れようとはしておらず、そこがバークリー作品との違いか。ただ単純に伏線の仕込みが鮮やかだから、ミステリとしての水準は高く、真相の背景にはしっかり驚かされた。2025/01/03
guriko
1
ビーフ刑事ものの第3作目。ビーフ(元)刑事の自己評価の高さがキツイ。2024/06/26