内容説明
青春をむかえようとしている純粋で多感な少女の一年間。楽しいこと、悲しいこと、さまざまな出来事のなかで、生きとし生けるものへの寛容と優しさを育む。ライラントのコスモロジーを描ききった作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
花林糖
10
(図書館本)五人娘の末っ子エリー(11才)の一年間の出来事を描いている。パーティーに行った時のエリーが微笑ましく可愛らしい。2015/09/15
遠い日
6
11歳のエリーの1年間を瑞々しく描く。子ども時代から青春時代(12歳〜19歳)への、揺れる心を抱えた時期。多感なその日々は、家族や友人、周りの大人たちの言動をビビッドに捉え、自身の成長を怖々自覚する。恋ともいえないほどの気持ちの小さな動きや、酒飲みの父へのちょっと屈託のある思い、友人との心の交わりなど、新たな大きな世界があることも4人の姉から見聞きして感じているエリー。自然に恵まれた土地柄にも感受性は育まれる。エリーの次のステージがそこに見えている。2013/12/18
シエロ
2
表紙の絵をずっと男の子だと思っていたので、5人姉妹の末っ子のエリー視点で物語が始まって驚いた。よく見たら表紙はおさげの女の子だった。シンシア・ライラント独特の穏やかな雰囲気ですすむストーリー。何気ない日常や家族のとの時間、そんな大切なことに気づかせてくれる作品。知り合いの死や家族の事故を物静かに語り、客観的に捉える視点がまた12歳の子どもとティーンエイジャーの狭間ならではの心情描写だった。2023/08/07