出版社内容情報
小説を読むとは、どのような行為なのか。現代の小説は私たちに何を語りかけるのか。
本書では、金井美恵子、村上春樹、田辺聖子、松浦理英子、多和田葉子という5人の作家が1970年代から2010年代にかけて描き出した7つの小説に着目する。これらの小説を、アイデンティティのあり方を多様に読み替え/書き換えていくクィア批評と、動物やケアなどをめぐる批評理論を縦横に組み合わせて読み解き、小説に内在する多様性や小説固有の強度を浮かび上がらせる。
既存の社会秩序や異性愛主義的な社会構造を揺さぶり、読者の主体性やジェンダー/セクシュアリティをめぐるアイデンティティをも変容させていく「現代小説を読むことの可能性」を、小説表現とクィア批評の往還からあざやかに描き出す。現代の小説をふたたび読み返したくなる、「クィアする」文学論。
内容説明
金井美恵子、村上春樹、田辺聖子、松浦理英子、多和田葉子の作品を、クィア批評や批評理論を縦横に組み合わせて読み解く。読者のアイデンティティをも揺さぶる「現代小説を読むことの可能性」を、小説とクィア批評の往還からあざやかに描き出す。
目次
第1章 金井美恵子「兎」―クィアとしての語り
第2章 村上春樹『ノルウェイの森』―語り/騙りの力
第3章 村上春樹「レキシントンの幽霊」―可能性としてのエイズ文学
第4章 村上春樹「七番目の男」―トラウマを語る男
第5章 田辺聖子「ジョゼと虎と魚たち」―ケアの倫理と読むことの倫理
第6章 松浦理英子『犬身』―クィア、もしくは偽物の犬
第7章 多和田葉子「献灯使」―未来主義の彼方へ
著者等紹介
武内佳代[タケウチカヨ]
日本大学文理学部教授。専攻は近現代日本文学、クィア・フェミニズム批評(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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