出版社内容情報
普段は運動もしていなかった中年の著者が、大震災のプチ避難で長距離を歩いた経験から一念発起、「四国お遍路を歩く!」に挑戦! 重いリュックを背負って、ひたすら歩いた7年半の涙と笑いの記録!
1日目は10キロを歩くのがやっと、それが逆に「歩く」に火がついた! 靴擦れに泣かされたり足の爪がめくれたり、股擦れに(!)に悩まされたり、痛む箇所にテーピングしたら水ぶくれになったり……。ウオーキングシューズもいろいろ試し、服装も工夫を重ね、リュックをどのようにして軽くするかに腐心し、雨のなか、強風のなか、あるいは暖かな日差しと季節の花と果物に迎えられて歩き、ついに88番・大窪寺にたどり着いた!
そればかりか、スペイン巡礼の映画に触発されて、ヨーロッパの聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラに向かうことを決意、ついに歩いて到達した。
四国でもスペインでも、行く先々で地元の人々のもてなしが疲れを癒やし、海や山、田畑の実りに励まされ、人の心情の機微に促されて歩き通した行程を軽妙な文体と多数の写真とで旅情たっぷりに紹介する。
目次
第1章 歩いて、泊まる それがお遍路
第2章 ハイキングとは違う部分も多い――装備と準備
第3章 いちばん得意な運動、それは歩くこと
第4章 あじさいに降る雨も、ミカンの葉を照らす陽も
第5章 時空を超えて空想遍路
第6章 スペインの「イギリス人への道」への道
第7章 私が歩くということ
【付録】全行程の日程
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
300
著者の波 環さんは放送局勤務(北海道)を続けながら2013年2月から2019年11月まで、14回の四国八十八カ所遍路行を敢行し達成した。本書はその記録なのだが、ひじょうに実践的である。中には脱毛処理(結構切実であるらしい)の顛末まで語られている。ただし、彼女が最も役に立ったという『四国遍路ひとり歩き同行二人』など、他の書物から得られるものは省かれているようだ。実際に遍路を歩くにあたってのさまざまな苦労(御手洗の問題とか水の補給とか)に耐えての行脚なのだが、そのひたむきさが読者に如実に伝わる好著。2025/03/12
つちのこ
39
この春やった二度目の歩き遍路を反芻しながら読んだ。宿や準備に関わる前半の記述が冗長だが、これからお遍路にチャレンジしたい人にとっては有益な情報になるかも。結願まで7年半にわたる区切り打ちを達成できたことの喜びはいかほどだったと思う。私の一度目は3回に分けての区切り打ちだったが、出会った人に「手を付けた以上、やり遂げなければいけない」「お大師様は天から見ている」と念を押され、背中を押してくれる見えない力を感じながら完歩した。著者がいう、「お遍路では目には見えない何かの力がはたらいている」は、まったく同感。2025/12/18
tetsubun1000mg
18
北海道の放送局に勤務するアラフォー女性が、一人で四国遍路を歩いた7年半を書いた歩き旅エッセイ。 東京にいた時に東日本震災で歩いた経験から四国遍路を歩くことに繋がったらしい。 一人で歩く選択は自然だったそうで、仲のいい友人でも体力やモチベーションで差は出るので一人で歩くのが正解だと思う。 男性で東海道や芭蕉の旅を歩いたり、最近は日本一周を歩いた男性はやはり単独だった。 足の痛さや厳しい疲労なども少し紹介してくれているので現実的な印象。 また男性ではなく女性一人旅ならではの注意点やポイントも参考になるのでは。2021/05/27
さけちゃん
13
旅に行けないフラストレーションは、本や雑誌、映像作品に頼りつつ、我が想像力をフル回転させるしか癒やす方法が見つかりません!この本は四国にワープしたいあなたにおすすめ!ワタシ、瀬戸内の景色のファンですが、どちらかというと本州側からのアプローチが多かったなと。お遍路、その選択肢あったな!!!と。なんか、宿の取り方とか宿の対応とか、海外旅してるようなドライ感、でもその感じ、おひとり行動が好きな人も受け入れてくれるんですよね!!!サイコー!人に合わせて歩くのは地味に疲れる。放っておいてほしい。わかる〜2020/08/08
ぽけっとももんが
11
図書館新着本。父の職場の退職者会は、毎年恒例の行事として四国巡礼を企画してくれていた。もちろんバスでガイドさんつきの観光巡礼だけれども、几帳面な父は多分20年以上参加していた。さて何周したのだろう。そんな巡礼もいいけれども、やはり本来は歩いてのお遍路。荷物の選択や準備など、お遍路に限らず役に立つし、わたしはまぁ歩きはしないけれども四国に行ってみたくもなる。近いしね。みかんの産地では、目が合えばみかんはもらえます。スペインの話がもう少し多いかと期待したのだけれども、今後に期待かな。2020/08/22




