怪異を歩く

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怪異を歩く

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  • サイズ B6判/ページ数 249p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784787292384
  • NDC分類 388.1
  • Cコード C0395

出版社内容情報

心霊スポットやタクシーの幽霊など、怪異が現れる場所や空間、それらと移動することとの関係性を明らかにする。人が空間を移動する、土地から土地へと旅する、その際に立ち現れる怪異を私たちはどう受け止めてきたのか。また、近代の都市化とともに強く意識されるようになった故郷や地方に深く関わる怪異とは何か。



評論家・東雅夫へのインタビューを筆頭に、怪談、『鬼太郎』、妖怪採集、イタコ、名古屋のオカルト、心霊スポット、幽霊タクシーなどの怪異を掘り起こし、恐怖と快楽の間を縦横に歩き尽くすシリーズ第1巻。



シリーズ概要

幽霊、妖怪、心霊現象……時代や場所を超えて人々を惑わし、恐怖を与え、崇められ、ときには消費・快楽の対象にもなる「現実にはありえない現象」を「怪異」と定めて、怪異から時代や地域特有の文化的感性を照らし出すシリーズ全3巻。



造本:四六判・並製・230ページ・図版30点前後

定価:2000円+税

刊行予定:

第1巻『怪異を歩く』=2016年9月

第2巻『怪異を魅せる』=2016年10月

第3巻『怪異とは誰か』=2016年11月

はじめに 一柳廣孝



第1章 怪異を旅する:東雅夫インタビュー 聞き手:今井秀和/大道晴香



第1部 往く人、来る人



第2章 旅を棲家に、夢は枯野を……――江戸の客死と怪談 今井秀和

 1 異国人の幽霊

 2 旅先で死ぬということ

 3 幽霊ニ足ノ有ルコト

 4 唐に死す、大宰府に死す

 5 江戸の旅人と客死

 6 異郷と故郷と道中と

 7 客死の妖怪「ヒダル神」

 8 道中という〈非・日常〉



第3章 地方を旅する鬼太郎――怪異が生じる場所を求めて 清水 潤

 1 調布で生まれ育った鬼太郎

 2 地方へと旅立つ鬼太郎

 3 紅衛兵に追われた妖怪たち



第4章 「妖怪採集」のすすめ――日常を拡張するまなざしの獲得に向けて 市川寛也

 1 書を携えてまちに出る――あずき洗い橋を求めて

 2 歩く人のまなざし――テキストからの解放

 3 路上の発見者――妖怪の考現学

 4 まちで見つけた妖怪たち――隅田川妖怪絵巻の活動を通して

 5 聞き手から語り手へ――泪橋のことだま返し



第2部 異郷と故郷



第5章 蔵の中の近代――『会津怪談集』と妖怪博士 伊藤龍平

 1 『会津怪談集』について

 2 対比される近世と近代

 3 安部佐市という個性

 4 妖怪博士・井上円了との対峙



第6章 土地の神が〈怪異〉になるとき――泉鏡花「山海評判記」から 富永真樹

 1 「山海評判記」の〈怪異〉と白山信仰

 2 柳田国男の「学問」

 3 土地の神が結ばれるとき



第7章 岡本太郎とイタコ――「神秘」というまなざし 大道晴香

 1 《イタコ》ブームと岡本太郎

 2 「神秘」というまなざし

 3 「神秘の世界」としての東北



第3部 ここではない場所



第8章 尾張名古屋、魔の往く道――都市空間のなかのオカルト街道 小松史生子

 1 名古屋城下の妖怪屋敷

 2 名古屋城脱出ルートとオカルト街道の出現

 3 魔が駆け抜ける道――都市伝説と交通



第9章 よみがえれ、心霊スポット 広坂朋信

 1 人はなぜ心霊スポットに行くのか

 2 江戸時代の心霊スポット探訪記

 3 心霊スポットとはどんな場所なのか

 4 心霊スポットの危機



第10章 幽霊はタクシーに乗る――青山墓地の怪談を中心に 一柳廣孝

 1 幽霊が乗るもの――馬から自動車へ

 2 青山墓地という場所

 3 幽霊はタクシーに乗る



おわりに 今井秀和/大道晴香

一柳 廣孝[イチヤナギ ヒロタカ]
和歌山県生まれ。横浜国立大学教育人間科学部教授。専攻は日本近代文学、日本近代文化史。著書に『〈こっくりさん〉と〈千里眼〉』(講談社)、『催眠術の日本近代』(青弓社)、『無意識という物語』(名古屋大学出版会)、編著に『オカルトの帝国』『「学校の怪談」はささやく』『心霊写真は語る』、共編著に『ライトノベル研究序説』『ライトノベル・スタディーズ』(いずれも青弓社)など。

今井 秀和[イマイ ヒデカズ]
東京都生まれ。国際日本文化研究センター機関研究員。専攻は日本近世文学、民俗学、比較文化論。共著に『妖怪・憑依・擬人化の文化史』(笠間書院)、『皿屋敷』(白澤社)、『闇のファンタジー』(青弓社)など。

大道 晴香[オオミチ ハルカ]
青森県生まれ。國學院大學大学院特別研究員。専門は宗教学。論文に「霊場恐山の近代化」(「文化/批評」第7号)、「大衆文化としての〈イタコ〉」(「宗教研究」第376号)など。

内容説明

人が空間を移動する、土地から土地へと旅する、ある場所からいなくなる―場所と移動にまつわる怪異を私たちはどう受け止めてきたのか。怪談、『鬼太郎』、イタコ、心霊スポット、幽霊タクシーなどの怪異を掘り起こし、恐怖と快楽の間を縦横に歩き尽くす。

目次

怪異を旅する:東雅夫インタビュー
第1部 往く人、来る人(旅を棲家に、夢は枯野を…―江戸の客死と怪談;地方を旅する鬼太郎―怪異が生じる場所を求めて;「妖怪採集」のすすめ―日常を拡張するまなざしの獲得に向けて)
第2部 異郷と故郷(蔵の中の近代―『会津怪談集』と妖怪博士;土地の神が“怪異”になるとき―泉鏡花「山海評判記」から;岡本太郎とイタコ―「神秘」というまなざし)
第3部 ここではない場所(尾張名古屋、魔の往く道―都市空間のなかのオカルト街道;よみがえれ、心霊スポット;幽霊はタクシーに乗る―青山墓地の怪談を中心に)

著者等紹介

一柳廣孝[イチヤナギヒロタカ]
和歌山県生まれ。横浜国立大学教育人間科学部教授。専攻は日本近代文学、日本近代文化史

今井秀和[イマイヒデカズ]
東京都生まれ。国際日本文化研究センター機関研究員。専攻は日本近世文学、民俗学、比較文化論

大道晴香[オオミチハルカ]
青森県生まれ。國學院大學大学院特別研究員。専門は宗教学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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夜間飛行

211
昔は行き倒れもいたし、そもそも伊勢参りなど宗教目的の旅が多かった。そこから夢幻能の「諸国一見の僧」が旅で霊と出会う話が出来たり、長崎の唐館で客死した幽霊の跫音?を語り継いでいったのだろう。牡丹灯籠や鬼太郎の下駄の音も、元はそうした旅の時空から生まれてきたのである。近代には、柳田國男や井上円了など旅をして怪談を集めた学者や、泉鏡花や太宰治など異郷(故郷)を作品の核に据えた作家も現れた。本書中特に、鏡花の「山海評判記」を巡ってオシラ神と漂泊の巫女について論じた6章が興味深く、いつかこの話を読んでみたくなった。2022/11/27

HANA

59
旅や場所と怪異の関係性を考察した一冊。鬼太郎から有名なタクシー怪談まで、その取り扱う範囲は幅広い。読んでいて特に気になったのが、中央と地方の関係性を取り扱った部分。鬼太郎の妖怪退治の旅から岡本太郎とイタコ、そして知られざる『会津怪談集』とその著者等。イタコとかの中央からの記事に何となく「オリエンタリズム」的なものを感じるのは地方在住者の僻目かなあ。後、タクシー怪談と墓地の関係や、名古屋の脱出ルート等興味深いものも満載。他にも妖怪の創造や心霊スポット巡り等、単なる研究所の枠には収まらない面白さもありました。2016/10/24

へくとぱすかる

43
怪異をめぐる研究書。「旅」から自然発生した怪談から発展して、今や妖怪を「創作」するために歩くフィールドワークが行われている、というのには驚く。興味深いのは泉鏡花が昭和初期に書いた「山海評判記」。一度読んでみたい。ラストのタクシーの怪談は、誰もが知っているだろうが、研究するなら公共墓地の成立や、タクシーという交通機関の歴史までひもとく必要があるということ。深い。2016/10/23

mittsko

12
ボクがまだ一度も参加できてない「怪異怪談研究会」(2012年8月~)、その最初の成果「怪異の時空」全三巻の第一巻(この後、別途四冊が刊行済み、すっごい生産量!)。歩くという行為、そこから移動・場所・空間、さらに異郷/故郷が本書の切り口(元々は旅と地方だった由)。こうして集められた各論は、対象も方法も学的専門もてんでばらばら。そこが魅力といえば魅力ですね ※ 個人的に、市川先生の「妖怪採集」の実践報告、伊藤先生の地方の怪談文化の紹介、小松先生の名古屋の怪異の歴史的地層発掘がおもしろかった2023/08/24

qoop

9
異郷で怪異と出会う、他郷の視点で故郷の民話を見直す、怪異を求めて旅する……など、物理的・心理的移動が怪異にもたらす影響を探った一冊。中では、作中の妖怪事件の現場の変遷に現代の周縁領域のありかを探る清水潤氏〈地方を旅する鬼太郎〉、街歩きをしつつ妖怪を創作するワークショップ、市川寛也氏〈「妖怪採集」のすすめ〉、魔処として伝わる場所に歴史の補助線を引く小松史生子氏〈尾張名古屋、魔の往く道〉などが興味深かった。2022/07/12

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