内容説明
七百年の時空を超えて『平家物語』は、死を美学化するものとして享受されてきた。能や歌舞伎、国語教科書の教材、小説・マンガと形を変えながら―。その固定的な視点・読み方を脱構築して、「常識」を打ち破るものの見方を得る題材としての『平家物語』の可能性を示す。
目次
第1章 教育/権力/物語―もう一つの“源/平”合戦
第2章 「教えられるのか」/「どう学ぶか?」という問題構制―“理論”が拓く地平
第3章 知盛“神話”解体―教室で『平家物語』を読むことの(不)可能性
第4章 “父‐息子”の『平家物語』―アンチ・ヒーローとしての宗盛の可能性
第5章 “貞女”の檻―“知”にダブルバインドされた小宰相
第6章 熊谷直実の“まなざし”―死者の魂を分有する
第7章 建礼門院の庭―『源氏物語』を読む“女”
補章 マンガでよむ『平家物語』的世界―増殖する『平家物語』、あるいは物語へのとば口
著者等紹介
高木信[タカギマコト]
1963年、滋賀県生まれ。1993年、名古屋大学大学院文学研究科満期退学。1993年‐2008年、東海高等学校教諭。現在は相模女子大学学芸学部日本語日本文学科教員、博士(文学)。専攻は日本文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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