出版社内容情報
フランケンシュタインの怪物を「創造」したのは、前近代的な魔術や狂気ではなく、近代的な科学と理性だった──。「啓蒙と野蛮の弁証法」の歴史的表象としてプロデュースされた怪物の異形のなかに、反転し転倒した近代の欲望を読み解く。
編者序文 スティーヴン・バン
1 書き換えられた家族の歴史――『フランケンシュタイン』にみるメアリ・シェリーの葛藤と自己形成 エリザベス・ブロンフェン
2 フランケンシュタインと自然の魔力 クロスビー・スミス
3 メランコリックな物思い――自然のヴェールを剥ぐ者、科学者のアイデンティティ リュドミラ・ジョーダノーヴァ
4 怪物の系譜――純文学と大衆芸術に生き続けるフランケンシュタインの怪物 ルイス・ジェームズ
5 印象派の怪物――H・G・ウェルズの『ドクター・モローの島』 マイケル・フライド
6 ジェームズ・ホエールの『フランケンシュタイン』――ホラー映画とスクリーン上の怪物のシンボル的生物学 マイケル・グラント
7 人工の生命とフランケンシュタインの神話 ジャシア・ライチャート
8 怪物の物語――メアリ・シェリーからブラム・ストーカーへ ロバート・オロレンショー
9 血とパン ジャン=ルイ・シェファー
原注
訳者のあとがきに代えて(遠藤徹)
索引
内容説明
フランケンシュタインの怪物を「創造」したのは、狂気や魔術ではなく理性と科学だった。「啓蒙と野蛮の弁証法」の歴史的表象としてプロデュースされた怪物の異形に反転した近代の欲望を読み解く。
目次
第1章 書き換えられた家族の歴史
第2章 フランケンシュタインと自然の魔力
第3章 メランコリックな物思い
第4章 怪物の系譜
第5章 印象派の怪物
第6章 ジェームズ・ホエールの『フランケンシュタイン』
第7章 人工の生命とフランケンシュタインの神話
第8章 怪物の物語
第9章 血とパン