内容説明
高層ビル間にピンと張ったロープの上を、長く重いバランス棒だけを抱えて一歩一歩進む綱渡り師たち。彼ら/彼女らはなぜ挑戦するのか。どのようにして墜落の恐怖を超えられるのか。勇者たちの生きざまを丹念に描く渾身のドキュメンタリー。
目次
第1章 ロープの上の途方もない可能性(ロープ上で観客を魅了する幼女;代役がセンセーショナルな人気を博す;婚外子を出産、そしてナポレオンと出会う;土砂降りのなかでロープを…―ロンドンっ子の驚きと称賛が止まらない ほか)
第2章 ブロンディン―綱渡りの代名詞になった巨人(天才少年、波瀾万丈の日々;歴史に残る「ブロンディン」はアメリカで誕生した;ついにその日がやってきた―ナイアガラに挑む;ナイアガラでの前代未聞の行為の数々 ほか)
第3章 「ブロンディン」を名乗り、ブロンディンに挑む(自他ともに認める「オーストラリアのブロンディン」とは;少年を巻き込む二つの悲劇;「オーストラリアのブロンディン」を名乗る男の無鉄砲なパフォーマンス;ナイアガラで生まれた男のナイアガラ挑戦)
第4章 体でジェンダーイメージをくつがえす女たち(サーカスが、女が自由を手にできる数少ない領域だった;セリーナ・ヤング―最初の「女ブロンディン」;セリーナ・パーウェル、またの名をマダム・ジュヌヴィエーヴの痛ましい墜落死;ナイアガラを渡った歴史上ただ一人の女性)
第5章 当代最高の綱渡り師だった男の数奇な行路(桁外れの情熱に突き動かされた人生;ブロンディンに真っ向勝負を挑む;「ストロングマン」の桁外れの身体能力;初めて公衆の面前で綱渡りを披露する ほか)
第6章 勇気と実力で時代を走り抜けたザゼル(天性の才能と特訓による無二のアンファン・テリーブル;ザゼル誕生前夜;十五歳の少女の常識を超えた芸とは…;天才少女にも事故は起きる ほか)
第7章 栄光と悲惨―綱渡り一族の壮大なる歴史(語り伝えられる墜落事故;伝説の綱渡り師カール・ワレンダの起源;サーカス団が馬車で移動していた時代;女性関係 ほか)
第8章 偉業か、狂気か―SNSの時代にあえて仕掛けるワレンダ一族の末裔(サーカスで生活する者たちの窮状;悪夢のような「七人のピラミッド」を復活する;さらなる限界に挑む―八人のピラミッドは可能か;まるで復讐のような挑戦 ほか)
第9章 完全なる犯罪―創造する者はアウトローでなければならない(フィリップ・プティという生き方;私的サーカス体験―綱渡り以前;フィリップ・プティを知る;ポール・オースターが、パリでプティを見ていた ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
チェアー