感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポルポ・ウィズ・バナナ
3
伊丹万作曰く「戦争に至ったのは「誰かに騙されたから」と国民は口々に言うが、実際問題、1人や2人の知恵で全国民を騙せるわけはない。つまり、全国民がお互いを騙し騙されしていたのであり、戦争責任は国民全員にある」とあるがそんなわけない。統帥権というものをご存知か。大西巨人が『神聖喜劇』のなかで説いていたのは伊丹へのアンサーだったんだな。2024/11/03
minamimi
2
南京虐殺の映画が撮られ出したのが95年からという話。自分が旅した96年に、上海から青島までの鉄道の車内で「南京虐殺についてどう思うのか?」と絡まれた覚えがある。他の乗客の人たちがとりなしてくれて大事には至らなかったのだけど、ちょうど時期的に合致するな〜と思った。 戦争に向かわせる映画が、戦後ほとんどそのまま反戦映画として通用する話は興味深かった。2025/04/09
トシ
0
日本だけが戦争で殊更酷いことをしたと思わない。戦争というものがそういうもので、戦争に関わった全ての国で必ず戦争犯罪がある。殺し殺される極限の状況が人をそうされるのである。人を狂気へと向かわせる戦争を無くす為に過去と向き合う必要がある。しかし日本の戦争映画は被害者視点ばかりで加害者視点で描かれたものはない。日本人が加害者として描かれる外国製作の戦争映画も様々な圧力で上演自粛に追い込まれる状況で、日本での加害者視点の戦争映画製作は本当に難しいかも知れないが、それでも作られなければならない。無いのは恥である。2025/01/03
読書初心者
0
幅広く戦争映画を総覧しており、書かれている文章も非常に読みやすく面白いのであっという間に読める。加害と被害の表象についての論述はこれから戦争映画を見る上での目線を変えてくれるだろうし、そう考えた時に『オッペンハイマー』の特異性が浮かび上がってくる。 良い本ではあると思うけど、『不屈の男 アンブロークン』についての記述が気になり、東京と大阪でしか公開されなかったと書いてるけど、普通に小規模ながら全国で公開されてたと思う。地元でも公開されてたので。2024/11/05