内容説明
クラシックは一度はまれば出口がない怪しくも魅惑に満ちた世界だ!迷宮のなかで頼りになるのは自分の感性だけ。聴くことの快楽を突き詰めた達人たちのほとばしる感性に身をゆだねて皮膚感覚を研ぎ澄ませ、クラシックに耽溺しつくすための咆哮的論考集。
目次
巷説洋琴皮算用―ボイルの法則講座
調律師から見たピアニスト
もっとも危ないヴァイオリニスト
演奏家の自己愛を堪能する―「名盤・奇盤の博物学」寄り道篇
獣
クラシック演奏家は「ゲイのお仕事」か?
室内楽に直情(欲情)する
コンサート・ホールには妖怪が棲んでいる
私を愛したピアニスト
どん底からのクラシック
フェドセーエフの壮絶な死の音楽を愉しむ
もしモーツァルトの出待ちなら
野獣的嘆きとぼやき
野獣的感性でもってコンロン・ナンカロウを噛み砕くこと
忘れられた名盤を聴き直す―「名盤・奇盤の博物学」補遺篇として
盤鬼による野獣的怒り
源氏・狭衣の音楽的アナロジー
不健康オペラへの道
狂気の女は世界をその手に握っている
大人女子のためのタイプ別テノール・イケメン・ファイル
つかの間の営みは夢となって繰り返される
著者等紹介
鈴木淳史[スズキアツフミ]
1970年、山形県生まれ。売文業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Koning
9
クラシック知性主義の姉妹編ということなのだが、これは初心者(?)とかクラシック=癒しなんて貧困なイメージ意外拒絶する人には絶対に読ませてはならぬ本。でも音楽ダボハゼな人とか、クラオタの友達がいるとか、ピアニストとバイオリニストが知人にいる人とか、病人はニヤニヤしっぱなしの1冊だと思う。「名ピアニストにはユダヤ人とゲイしかいない」というクラオタの俗説の1つの理由を考察する1節はおもわず納得しかけてびびりましたよ(汗2013/07/15
hr
1
図書館本。竹内貴久雄の文章や切り口が好き。2022/03/19
まこ
1
クラシックを聴きながら肉欲・性欲を掻き立ててよし、イケメンの作曲家やオペラの登場人物に萌えるもよし、そんな楽な聴き方でいいんですよ。ですから、ときおりPCの前で紹介された曲を検索しながら読んでいたわけです。クラシックホールに潜む妖怪は絶対妖怪ウォッチに出てくる。2014/09/28
Yakmy
1
クラシック音楽を聴くことは、決してお勉強じゃないし、カッコ付けでもなければ、単なる癒やしでもないーという序文から始まる本書。一発目はボイルの法則。YouTubeで有名になったスーザン・ボイルを取り上げ、見た目のインパクトの大切さを説き、音が揺れまくる老齢のバイオリニストへの愛を書き、オペラの男性役を「白馬の王子様系」などと分類した解説も。余程、ロックの系譜を書いた本のほうが真面目くさい。読むのが苦痛と思える小説系エッセイもあるが、ご愛嬌の部類。2014/06/05
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