内容説明
貴族社会から市民社会への転換期に生きた芸術家モーツァルト。彼のオペラの根底には愛と結婚をめぐる新旧社会の規範の対立や葛藤というエロスの問題が横たわっている。その諸相を『イドメネオ』から『魔笛』までの七大オペラを通して読み解く。
目次
第1章 『イドメネオ』―オペラ・セリアの解体の試み
第2章 『後宮からの逃走』―市民社会的結婚観の勝利
第3章 『フィガロの結婚』―愛と結婚をめぐる階級闘争
第4章 『ドン・ジョヴァンニ』―封建社会の崩壊の予兆
第5章 『コシ・ファン・トゥッテ』―市民社会的結婚の危うさ
第6章 『皇帝ティートの慈悲』―オペラ・セリアの終焉
第7章 『魔笛』―愛による男性社会の破壊
著者等紹介
三宅新三[ミヤケシンゾウ]
1951年、岡山県生まれ。1975年、東京大学文学部卒業。1978年、東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。現在、岡山大学大学院社会文化科学研究科・文学部教授。専攻はオペラ表象論、ドイツ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。