出版社内容情報
「切れば血が出るような響き」をひたすら追い求めて半世紀、いいものはいいと言いつづけてきた魂の批評家が書きためたLPのライナーノートから選りすぐって傑作集として編集。執筆時のジャケット写真も所収し、クラシックへの愛に満ちた、ファン垂涎の一著。
はじめに 平林直哉
気がねなく発揮される表現力
◎マーラー『大地の歌』
◎レナード・バーンスタイン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
◎ディートリヒ・フィッシャー・ディースカウ(バリトン)、ジェームス・キング(テノール)
◎録音:1966年4月(LPには記載なし)
◎キングレコード(ロンドン)SLC1605/1967年
◎CD=ユニバーサル・ミュージック、キングレコード、DECCA
音楽そのものとなってしまう
◎ベートーヴェン
◎①『ピアノ協奏曲第3番』ハ短調、作品37、②『ピアノ協奏曲第2番』変ロ長調、作品19
◎ウィルヘルム・バックハウス(ピアノ)
◎①カール・ベーム指揮、②クレメンス・クラウス指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
◎録音:①1950年9月、②1951年5月(LPには記載なし)
◎キングレコード(ロンドン)MR5084/1969年
◎CD=ポリグラム、DECCA
すべての音に意味がある
◎ショパン『夜想曲集』(第1番~第10番)
◎タマーシュ・ヴァシャーリ(ピアノ)
◎録音:1965年4月22日~24日
◎日本グラモフォン(ドイツ・グラモフォン)SMG1463/1969年
◎CD=Deutsche Grammophon
真』作品80
◎エドゥアルト・ヴァン・ベイヌム指揮、アムステルダム・コンセルトヘボー管弦楽団
◎録音:①1951年、②1952年(LPには記載なし)
◎キングレコード(ロンドン)MZ5015/1969年
◎CD=キングレコード、DECCA
お坊ちゃん気分を抜け出す
◎ショパン『ピアノ協奏曲第1番』ホ短調、作品11
◎リスト『ピアノ協奏曲第1番』変ホ長調
◎エリック・ハイドシェック(ピアノ)
◎ピエール・デルヴォー指揮、コロンヌ管弦楽団
◎録音:1961年10月(LPには記載なし)
◎東芝音楽工業(エンジェル)AA8610/1970年
◎CD=東芝EMI(ショパンのみ)
芸術は精神である
◎ベートーヴェン
◎①『ピアノ協奏曲第3番』ハ短調、作品37、②『合唱幻想曲』作品80
◎リリー・クラウス(p)
◎ジャンフランコ・リヴォリ指揮、アムステルダム・フィルハーモニー管弦楽団、②同合唱団
◎録音:記載なし
◎コンサート・ホール・ソサエティ SMS2236V/1970年(?)
命を賭けた遊び
◎クナッペルツブッシュ~ポピュラー・コンサート
◎J・シュトラウス『ラデツキー行進曲』、コムザーク『バーデン娘』、J・シュトラウスⅡ『アンネン・ポル、モンテ・カルロ国立歌劇場管弦楽団
◎録音:1969年10月27日~31日
◎日本フォノグラム(フィリップス)SFX8503/1972年
◎CD=日本フォノグラム、Philips
自分の音を持つ
◎R・シュトラウス『交響詩「英雄の生涯」』作品40
◎ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮、モスクワ放送交響楽団
◎M・チェルニャコフスキー(ソロ・ヴァイオリン)
◎録音:1969年
◎日本ビクター(新世界)SMK7676/1972年
あまりにも人間的な
◎ブラームス『交響曲第1番』ハ短調、作品68
◎ウィレム・メンゲルベルク指揮、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
◎録音:1940年10月13日
◎日本フォノグラム(フォンタナ)FCM10/1972年
◎CD=ユニバーサル・ミュージック、Philips
ドイツ精神主義の炎の氷づけ
◎ベートーヴェン『交響曲第6番「田園」』ヘ長調、作品68
◎オットー・クレンペラー指揮、ウィーン交響楽団
◎録音:1951年(LPには記載なし)
◎日本コロムビア(ヴォックス)DXM168/1973年
◎CD=Allegro、Vox
心臓が止まるような想い
◎モーツァルト
◎①『交響曲第40番』ト短調、K.550、②『交響曲第41番「グラー指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
◎録音:1944年
◎日本フォノグラム(フォンタナ)FCM50/1973年
◎CD=東芝EMI、Tahra他、多数
演奏の奥義を究める
◎ハイドン
◎①『交響曲第88番「V字」』ト長調、②『交響曲第97番』ハ長調
◎ヘルマン・アーベントロート指揮、①ライプツィヒ放送交響楽団、②ベルリン放送交響楽団
◎録音:①②1956年
◎徳間音楽工業(エテルナ)ET1510/1974年
◎CD=徳間ジャパン・コミュニケーションズ、Berlin Classics
視える者には視える
◎ブルックナー『交響曲第8番』ハ短調(改訂版)
◎ハンス・クナッパーツブッシュ指揮
◎ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
◎録音:1963年1月(LPには記載なし)
◎東芝EMI(ウェストミンスター)IWA93183B/1974年
◎CD=ユニバーサル・ミュージック、MCAビクター
秘術のかぎりをつくす
◎①ブラームス『交響曲第2番』ニ長調、作品73
◎②メンデルスゾーン『序曲「フィンガルの洞窟」』作品26
◎カール・シューリヒト指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
◎録音:①1953年6月、②1954年4月(LPには記載なし)
◎キング人生の哀歓に彩られた心
◎アンダルシアのロマンス~ウィウコミルスカ/ヴァイオリン小品集
◎ムソルグスキー『ホパック』、クライスラー『ロンドンデリーの歌』、ヴィエニャフスキ『華麗なるポロネーズ第2番』、ドビュッシー『小舟にて』、ヴィエニャフスキ『マズルカ「オーベルタス」』、バルトーク『ルーマニア民俗舞曲』、ドビュッシー『レントよりも遅く』、シマノフスキ『ロクサーヌの歌』、サラサーテ『アンダルシアのロマンス』
◎ワンダ・ウィウコミルスカ(ヴァイオリン)、ダヴィド・ガーヴェイ(ピアノ)
◎録音:不明(LPには記載なし)
◎日本フォノグラム(コニサー・ソサエティ)X7545/1976年
進歩の跡にびっくり
◎チャイコフスキー『大序曲「1812年」』作品49
◎ボロディン『ダッタン人の踊り』~『歌劇「イーゴリ公」』より
◎リムスキー=コルサコフ『スペイン綺想曲』
◎エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮、ソビエト国立交響楽団、モスクワ放送合唱団
◎録音:1974年
◎ビクター音楽産業(メロディア)VIC2002/1976年
異常に感じやすい一つの孤独な魂
◎ブラームス『ピアノ協奏曲第2番』変ロ長調、作品83
◎ウラディーミ「未完成」』ロ短調、D.759、ウェーバー『歌劇「オイリアンテ」序曲』、スメタナ『交響詩「ボヘミアの森と草原より」』~『わが祖国』より
◎ルドルフ・ケンペ指揮、バンベルク交響楽団
◎録音:1963年6月4日、5日
◎日本コロムビア(オイロディスク)OC7121K/1977年
◎CD=BMG Classics
知る人ぞ知る
◎舞踏への招待/スメターチェック名演集
◎ウェーバー『舞踏への招待』、チャイコフスキー『イタリア奇想曲』、ワーグナー『歌劇「タンホイザー」序曲』、リスト『ハンガリア狂詩曲第2番』
◎ヴァーツラフ・スメターチェック指揮、スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団
◎録音:1974年2月
◎ビクター音楽産業(オーパス)VIC2046/1977年
◎CD=GZ Publishing
泉、風、海、空、嵐
◎ベートーヴェン『交響曲第4番』変ロ長調、作品60
◎パブロ・カザルス指揮、バルセロナ・カザルス管弦楽団
◎録音:1929年
◎東芝EMI(エンジェル)GR2302/1977年
言語道断なものすごさ
◎レスピーギ
◎①『交響詩「ローマの噴水」』、②『交響詩「ローマの松」』、③『交響詩「ローマの祭り」』
◎アルトゥーロ・トスカニーニ指揮、NBCフィルハーモニー管弦楽団
◎録音:1972年5月(LPには記載なし)
◎キングレコード(ロンドン)SLC8152/1979年
◎CD=ユニバーサル・ミュージック、DECCA
一場の夢のようなはかなさ
◎パハマン/ショパン名演集
◎ショパン
◎『ワルツ「子犬」』変ニ長調、作品64の1、『ワルツ』嬰ハ短調、作品64の2、『ワルツ』変ト長調、作品70の1遺作、『練習曲「黒鍵」』変ト長調、作品10の5、『練習曲』ヘ長調、作品25の3、『前奏曲』ロ短調、作品28の6、『前奏曲』ト長調、作品28の3、『夜想曲』ロ長調、作品32の1、『マズルカ』ト長調、作品67の1、『葬送行進曲』作品35、『マズルカ』変イ長調、作品50の2、『マズルカ』嬰ヘ短調、作品59の3、『前奏曲』ニ短調、作品28の24、『練習曲「革命」』ハ短調、作品10の12、『練習曲』ホ短調、作品25の5、『夜想曲』ト長調、作品37の2、『即興曲』嬰へ長調、作品36
◎ウラディミール・ドゥ・パハマン(ピアノ)
◎録音:1911/1927年(LPには記載なし)
◎RVC(RCA)RVC1546/1979年
◎CD=Dante、Pearl、Arbiter(以上、一部のみ)
希有の表現力
◎ベートーヴェン
◎『交響曲第3番「英雄」』変ホ長調、作品55
◎>◎ワーナー・パイオニア(ヴォックス)H5062V/1981年
◎CD=Orfeo
浮き世ばなれのした陶酔
◎ベートーヴェン『ヴァイオリン協奏曲』ニ長調、作品61
◎ローラ・ボベスコ(ヴァイオリン)
◎エガール・ドヌー指揮、ベルギー国立放送新交響楽団
◎録音:1982年7月26日~8月2日
◎日本フォノグラム(フィリップス)27PC83/1983年
◎CD=日本フォノグラム、Talent
愉しいメルヘンの世界
◎マーラー『交響曲第4番「大いなる喜びへの讃歌」』ト長調
◎ウラジーミル・フェドセーエフ指揮、モスクワ放送交響楽団
◎録音:1980年4月
◎ビクター音楽産業(メロディア)VIC28108/1983年
通好みのピアニスト
◎①ベートーヴェン『ピアノ協奏曲第3番』ハ短調、作品37
◎②シューマン『ピアノ協奏曲』イ短調、作品54
◎クララ・ハスキル(ピアノ)
◎①シャルル・ミュンシュ指揮、管弦楽団
◎②エルネスト・アンセルメ指揮、スイス・ロマンド管弦楽団
◎録音:①1956年11月1日、②1956年10月10日
◎日本コロムビア(ブルーノ・ワルター協会)OS7116BS/1983年
◎CD=①マドリガル、Music & Arts
すばらしさの限り
◎ブbr>◎ベートーヴェン『ヴァイオリン協奏曲』ニ長調、作品61
◎レオニード・コーガン(ヴァイオリン)
◎パーヴェル・コーガン指揮、交響楽団
◎録音:1981年3月
◎ビクター音楽産業(メロディア)VIC28088/1983年
◎CD=ビクター音楽産業、トライエム・クラシックス
呆然と聴き入る
◎ベートーヴェン『ピアノ協奏曲第2番』変ロ長調、作品19
◎ハイドン『ピアノ協奏曲ニ短調』Hob.
目次
気がねなく発揮される表現力
音楽そのものとなってしまう
すべての音に意味がある
真実か真実でないかが大切
生は暗く、死も暗い
内部に荒れ狂う精神力
お坊ちゃん気分を抜け出す
芸術は精神である
命を賭けた遊び
秋の名月のよう〔ほか〕
著者等紹介
宇野功芳[ウノコウホウ]
1930年、東京都生まれ。父は漫談家の牧野周一。国立音楽大学声楽科卒。1953年に「ディスク」に「ブルーノ・ワルターの芸術」を寄稿して音楽評論家デビュー。「レコード芸術」をはじめ多くの音楽雑誌に執筆、その歯切れのいい明快な筆致は多くのファンを獲得し、一方では合唱指揮者、オーケストラ指揮者としても人気を博している
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