出版社内容情報
森山大道や東松照明、荒木経惟らに伴走し、写真編集者として写真家の奥に隠された精神をも明るみに引き出した渾身の評論集。写真の歴史的・社会的背景を語り、写真家の苦悩と闘いをさぐり、写真というメディアをとおして同時代に発言する写真論の決定版。
はじめに
序 写真の社会的機能の回復に向けて
1 鈍感な影――コンピュータ・スクリーンの冷たい火
2 写真の修辞学=身体論――肉眼と知覚世界の見ることの不確かさ
3 都市の精神――世紀末の断章
4 反解釈の写真――ニューヨーク博物館 都市を見る眼
5 欲望の精神史――神話から広告写真へ
6 「写真」が写真になった日々――あるいはエディトリアル=視覚的興奮の成立――一九六五年前後
7 「写真の眼(まなざし)」が確立した日々――一九七○年前後
8 ローマン・ヴィシュニアック――消滅した世界の「記憶」
(1)はじめに、誕生がある。ここでは再生でもあるようだが――。
(2)そして人生は予期せぬ不意打ちに満ちている――。
(3)ときに人は「歴史における個人の役割」に気づく、こともある、ごく希れに――。
(4)人生が中断する、とても辛い時間だが――。
(5)そして人生が再びはじまる。
(6)たそがれが迫っている――。
9 記憶の写し絵――ローマン・ヴィシュニアック写真集『To Give Them Light: The Legacy of Roman Vishniac』一九九三年
10 「記憶」の力
11 世界に関与すること
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目次
写真の社会的機能の回復に向けて
鈍感な影―コンピュータ・スクリーンの冷たい火
写真の修辞学=身体論―肉眼と知覚世界の見ることの不確かさ
都市の精神―世紀末の断章
反解釈の写真―ニューヨーク博物館都市を見る眼
欲望の精神史―神話から広告写真へ
「写真」が写真になった日々―あるいはエディトリアル=視覚的興奮の成立 一九六五年前後
「写真の眼」が確立した日々―一九七〇年前後
ローマン・ヴィシュニアック―消滅した世界の「記憶」
記憶の写し絵―ローマン・ヴィシュニアック写真集『To Give Them Light:The Legacy of Roman Vishniac』一九九三年
「記憶」の力
世界に関与すること
現代芸術の地平を歩む写真家・森山大道の非表現者への道
浜田蜂朗に捧げる―没落への意志の雰囲気
鈴木清へのオマージュ―“歩行する影”もしくはシャバ世界を名づけるためのたった一語、それは「SOUL」
応答する精神―“見よ”そして“忘れるな”
写真よさようなら 義によって立ち止まる―写真という趣味について
「写真論」序説―「外」の表現
著者等紹介
西井一夫[ニシイカズオ]
1946年、東京都生まれ、1968年、慶応義塾大学経済学部卒業弘文堂を経て毎日新聞社に入社、「カメラ毎日」編集長を経て、クロニクル編集長を担当。『昭和史全記録』『戦後50年』『詳細阪神大震災』『20世紀の記憶』ほかを編集し、2000年に退職
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