- ホーム
- > 和書
- > 芸術
- > 芸術・美術一般
- > 芸術・美術一般その他
出版社内容情報
理論による芸術からの空間の剥奪に抗して──。彫塑性や色彩感という、概念の一般性のなかに包摂しえない個別的なものを、それ自体として把捉し、芸術の空間そのものが設定している運動のあり方を再考する。美学の因習からの脱却。
序
1 芸術と現実
(1)建築としての芸術
(2)技術
(3)形象としての芸術
2 芸術と空間
3 実現――ジョルジュ・ブラックのキュビスムに寄せて
(1)芸術におけるアクチュアリティの問題
(2)絵の解明
(3)結語
4 肉体感――アントニ・タピエスの作品について
5 「芸術作品の根源」と現代芸術
(1)現代芸術と現代
(2)世界の組み立て――表象に抗して
(3)出来事としての現在性――対象性に抗して
6 家・塔・広場――ヘルダーリンと建築
訳者あとがき
内容説明
近‐現代的理性の性癖となった空間の支配、克服というニーチェ的アポリア―。「あらゆる芸術は彫刻的なものである」というテーゼを軸に、単なる対象として芸術作品を扱うプラトン以来の美学の因習からの脱却を図り、ハイデッガーから発展的に継承した現象学的存在論(『芸術』としての空間―空間としての『芸術』)の犀利な多角的具陳から、芸術観・世界観の新たなる地平を開拓する。
目次
第1章 芸術と現実
第2章 芸術と空間
第3章 実現―ジョルジュ・ブラックのキュビスムに寄せて
第4章 肉体感―アントニ・タピエスの作品について
第5章 「芸術作品の根源」と現代芸術
第4章 家・塔・広場―ヘルダーリンと建築
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kthyk
12
イェーニッヒは20世紀に入り、改めて芸術とは何かを問う。18世紀以降、近代市民のイデオロギーとしての芸術は神話や宗教からはなれての「自律」がテーマ。芸術の「自律」とは、アリストテレスの模倣(ミメーシス)ではなく、新たな世界構築。建築はもはや世界模型・ミメーシスではなく、現実。それは唯物論、技術論、美術様式論に支えらたリアルな世界。そしてイェーニッヒは言葉なき時代の建築に触れ、19世紀のヘルダーリンの詩について語っている。ヘルダーリンはベンヤミンが関心を高め、その後、多くの建築家に関心を持たれている詩人。 2020/12/18
ひろ
5
「芸術と空間」美学要素満載すぎて、うまく自分の研究には使えなさそう…。というか、やっぱり『存在と時間』の攻略が必要?2014/08/19
はむ
0
ハイデガーに関するところだけ。2024/10/04