感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
katoyann
16
SNSに跋扈するトランスジェンダーやノンバイナリーへの偏見について解説した本。性同一性障害特例法改正に伴い、SNSでは特にトランス女性に対して様々な憎悪発言が飛び交うことになった。典型的なものとしては性別適合手術をしていないトランス女性が女性用トイレの利用を望むことにより、女性がトイレを安心して利用できなくなるという発言が挙げられる。これについて著者は、性別不問のトイレを増設するように要求しているだけで、女性用トイレを減らすという話では全くないという。他にもトランスジェンダーの窮状が書かれてあり勉強になる2024/07/30
K(日和)
14
私はこれから、トランスジェンダーに対する差別的な言説・バックラッシュ・素朴でありながら悪意を内包した疑問に遭遇したとき、幾度となくこの書籍を参照するでしょう。シスジェンダーの人々が「性別」という概念に対して持つ雑で解像度の低い認識、そう認識できる特権を極めて丁寧に指摘しています。トランスの方々にとってあまりに醜悪で苛烈な差別的言説がはびこる社会で、シスの私が連帯するためにできることは何か。2024/04/29
スイ
12
トランスジェンダーへのヘイト言説を見たり聞いたりした時に、否定したいのだけど、はっきりここがおかしいと言える知識のない私にぴったりな本。 とても丁寧に解きほぐされていた。 トランスジェンダーの方が傷つかないよう、多様な選択肢があり胸を痛めず生きられる世界になるよう、トランスジェンダーではない私にような人こそ学ばないといけない。 そうして明るい方へ向かった先の未来は、皆にとって良いものであるはず。2024/11/25
tellme0112
3
電車の中で読むとカウンターになる。2024/07/19
たろーたん
2
もう一つ、面白かったのは、第四部「気になる質問」だ。まず「ホルモン治療は心身に悪いのではないか?」というもの。これは、りゅうちぇる自殺の時に聞いたことがある。ただ、よくよく考えれば、トランスジェンダーは性別違和の状態でストレスフルであり、そのストレスを無くすためにホルモン治療をしているのだ。健康からホルモン治療で悪くなるのではなく、現在悪くて、ホルモン治療で健康になるが近い。もちろん、悪くなるし、副作用がある場合もあるけど、それでも心身の健康のためのホルモン治療なのだ。(続)2024/09/02