内容説明
病院内の小さなスタジオで放送されるホスピタルラジオは、声のメディアとしてどのようにケアの役割を担っているのか。イギリスの歴史や日本の病院の実践などから、音声メディアを介して社会の周縁を生きる人々を包摂する可能性やケアのコミュニケーションを展望する。
目次
序章 ケアするラジオ(閉鎖空間としての病院;ホスピタルラジオとの出合い;話題になった『病院ラジオ』―サンドウィッチマンと病棟の人たち;ケアの倫理;ケアのコミュニケーション;ホスピタルラジオ研究の射程;ケアメディアとしてのラジオと声のコンテンツ;本書の構成)
第1章 「声のコンテンツ」を介したコミュニケーション(寄り添う音声―孤独の緩和、充実した一人の時間;想像される他者の世界;音でデザインする生活―社会とつながる音声のコミュニケーション;パーソナリティーとリスナーのパラソーシャルな関係;「承認」のコミュニケーション;ラジオとコミュニティ;リクエストとメッセージ;「声」の共生に向けて)
第2章 イギリスでのホスピタルラジオの歴史―放送空間を自作する快楽(イギリスのラジオ放送の誕生;第二次世界大戦後のホスピタルラジオ;ケーブルラジオとホスピタルラジオ;ホスピタルラジオ・サウザンプトンの歴史;ヨーロッパの自由ラジオ;新たな聴取システム―Patient LineとHospedia;ケアされるのは誰か)
第3章 イギリスのホスピタルラジオの現在(ホスピタルラジオの運営;ホスピタルラジオの効能;病院と地域をつなげるラジオ―ウィンチェスター・ラジオの挑戦;イギリスホスピタルラジオのこれから)
第4章 病院ラジオを立ち上げる―藤田医科大学「フジタイム」を例に(院内ラジオ「フジタイム」の誕生;「フジタイム」の三年間;病院にとっての効果;患者とのコミュニケーション;日本の院内ラジオの可能性と課題)
第5章 孤立を防ぐ小さなラジオ―二つの実践から(高齢者施設での実験ラジオ;「語る」というケアのかたち―生きづらさを伝えるコミュニティラジオ;ケアするコミュニティFM構想)
第6章 声のコンテンツとケア(“対話”という根源的ケアの重要性;応答という「救済」―ナースコールとしてのホスピタルラジオ;リクエスト―見えない他者との連帯;メッセージ―未来に向けたセルフ・ナラティブの構築;新たな自己物語を構築するための“対話”;ケアしあうナラティブ;ケアされるボランティア;第三者による社会的処方―非職業・非家族としてのケア)
終章 再び、これからのラジオ
感想・レビュー
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まゆみ
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