青弓社ライブラリー<br> 夜食の文化誌

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青弓社ライブラリー
夜食の文化誌

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  • サイズ B6判/ページ数 237p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784787233073
  • NDC分類 383.8
  • Cコード C0336

内容説明

ラーメン、おにぎり、焼きそば、うどん、スナック菓子…。受験勉強や夜型生活になくてはならない夜食は、いまや巨大な市場を形成するほど人々に受け入れられている。人の心を和ますとされたり太る原因にされたりとさまざまに語られる夜食は、どのようにして日本に普及してきて、一つの文化として成熟したのか。文化的・歴史的な過程を丹念にたどりながら、落語の演目から都市の下層階層の問題を読み解き、屋台やラーメンの普及、若者文化や地方と夜食とのかかわりに戦前期の都市化のありようや食文化イメージの転換を見定めて、夜食と日本人との関係に鋭く斬り込む。食欲と知識欲をそそる文化史/文化誌。

目次

序章 「夜食」の文化研究事始め
第1章 「夜食」と階層―落語から考える
第2章 路地裏の夜食史―一九二〇‐三〇年代における屋台イメージの転換
第3章 ラーメン史を「夜」から読む―盛り場・出前・チャルメラと戦前の東京人
第4章 若者の夜食はどう変わってきたか
第5章 地方からみた「夜食」―都市的まなざしに抗して

著者等紹介

西村大志[ニシムラヒロシ]
1973年、兵庫県生まれ。広島大学大学院教育学研究科専任講師、博士(文学)。専攻は文化社会学、日本研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

15
夜食、なんとドキドキする甘美な響きだろうか。みんなが寝静まっているはずの時間に飯を食って時間をつぶす、背徳の喜び。そう、夜食とは正道からどこか外れたいかがわしさがあるから美味しいのだ。しかし、そのいかがわしい感覚にもまた歴史があり、時には差別感覚とも結びついている。落語やラーメン、あるいは苦学生の夜食から夜食文化の歴史を問い直した本書はユニークな切り口から文化史を描いた一冊であり、夜食や夜店の屋台に、立身出世や貧困の影、あるいはオリエンタリズムを実証的に見出している。面白い本で、しかも読めばゼロカロリーだ2018/12/29

スプリント

7
ふらっと夜食を食べに外に出かけられた時代が戻ってきてほしい。2021/06/29

もけうに

3
「はじめに」「おわりに」がユーモアがあり面白い。元が報告書なせいか、タイトルから想起されるよりも固い内容。追記された章が一番面白かった。現代の夜食事情ももっと掘り下げて欲しいなあ。2019/10/09

かのこ

3
図書館に行くたびに目について離れないのでとうとう借りることにした。五つの研究とも面白いが、編者の西村さんの文章は特にユーモアもはあって面白い。小説ばかり最近は読んでいたので研究書を読むリズムがつかめずにいたが、おかげでどうにか読めた。2015/03/08

ISBN vs ASIN vs OPAC

3
斜め上から見た、戦前食事史。チャルメラの悲哀、支那そばという言葉にまとわりついていたイメージに関する一連の調査、考察はスリリングですらある。戦争を知らずに育った両親から育った身としては、もはやファンタジーに近い世界をかいまみせてくれる。とか言おうと思ったけど、ラーメンで一席ぶちたがるヤツに金持ちはいなさそうだなあということを改めて考えてなんだかうむむ。文人悪食も読もう。それにしても安藤百福が支那そばの解放者的捉え方もできるとは!記述は堅いが、良著。2012/10/05

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