内容説明
スポーツ万能、学業成績優秀、すぐれた体格のスーパーチルドレン…。戦前から、敗戦を挟んで1990年代まで続けられた健康優良児表彰事業と健康優良学校表彰事業。朝日新聞社主導で進められ、健康優良日本一を競ったこのイベントの歴史を、高度経済成長などの社会的背景にも目配りしながらあぶり出す。健康優良児をめぐる言説に現れる都市―農村間の地域格差や性差、障害観を照らし出し、「健康」の背面に立ち上がる「不健全」「不健康」の歴史のありようをも明らかにする。「健康」という基準をめぐって排除と包摂が相互的におこなわれるなかで、児童を絶えず「健康」へと駆り立てる力学を浮き彫りにする。
目次
第1部 健康優良児表彰事業の歴史(健康優良児表彰の概要;メディアが語る健康な子ども)
第2部 健康優良児の語ポリティクポリティクス(優良児へのまなざしと都市の欲望;高度成長期における健康優良児表彰事業;健康優良学校と日本の戦後)
健康優良児・優良学校をめぐるポリティクス
著者等紹介
高井昌吏[タカイマサシ]
1972年、兵庫県生まれ。関西大学大学院社会学研究科博士後期課程修了(マス・コミュニケーション学)。早稲田大学スポーツ科学学術院助手。専攻は社会学
古賀篤[コガアツシ]
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院人間科学研究科修士課程修了。専攻は社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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- 和書
- ロジシスト・ルソー