オカルトの帝国―1970年代の日本を読む

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 294p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784787232663
  • NDC分類 147
  • Cコード C0036

内容説明

隠された知である「オカルト」が白日の下にさらされた1970年代に、私たちはどのような夢を見、熱狂したのか―。科学的合理主義への懐疑から「新しい科学」として登場することで社会に激震を走らせた70年代のオカルトブームを焦点化し、現代に続く「オカルト的なもの」の始源を照らし出す。

目次

第1部 オカルトの日本(オカルト・ジャパン・シンドローム―裏から見た高度成長;小松左京『日本沈没』の意味 ほか)
第2部 メディアのなかのオカルト(エクソシスト・ショック―三十年目の真実;「ノストラダムス」の子どもたち ほか)
第3部 表象としてのオカルト(“霊”は清かに見えねども―「中岡俊哉の心霊写真」という“常識”;一九七〇年代の「妖怪革命」―水木しげる『妖怪なんでも入門』 ほか)
第4部 オカルトの現代史へ(円盤に乗ったメシア―コンタクティたちのオカルト史;メディアと科学の“聖戦”―一九七四年の超能力論争)

著者等紹介

一柳廣孝[イチヤナギヒロタカ]
1959年、和歌山県生まれ。横浜国立大学教員。専攻は日本近代文学、日本近代文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

50
9年前に既読だった『オカルトの惑星』の前編。今回ようやく読むことができた。オカルトブームと言われた70年代の日本をふりかえる論文集。おそらく当時は、状況の異様さへの自覚はなかっただろう。ブームの過ぎ去った21世紀の今でこそ、客観的に分析もできるのだろうが、渦中にあるときには冷静な目をもつことは難しい。これは今現在の事象にもあてはまるのではないだろうか。注目すべきは、当時すでに、非科学的なものが科学を装って現れていたこと。疑似科学を見破れる程度には、メディア・リテラシーを持っておくことが必要なのだと思う。2023/05/07

サイバーパンツ

11
コリン・ウィルソン曰く「隠された知」であるはずのオカルトが、メディアにその神秘的なベールを剥がれ、"商品"となっていったのが70年代ジャパン・オカルトであった。消費媒体としてのオカルトを当時の社会的・文化的背景をもとに分析した評論集。海外からの影響についての記述はあまりないものの、オカルトを社会史的に捉える足がかりには良いと思う。2018/01/04

mittsko

7
一柳グループ、通称「オカ研」、安心安定のクオリティ!錚々たるメンツですものね(とはいえ、僭越ながら申し上げれば、筆が走っちゃってる論考もあるにはある) 1970年代の日本のオカルトを知るためには、まずはこの一冊を手に取らねばならないでしょう! ※ 取り上げられる題材――小松左京『日本沈没』、横溝正史、映画『エクソシスト』、ノストラダムス、宗教書、中岡俊哉の心霊写真、水木しげると妖怪、つのだじろう「恐怖新聞」、UFOと円盤コンタクティ、超能力論争――こういう具体的な焦点の選別がまずすばらしいのです2023/08/21

臓物ちゃん

5
表紙がキモいッ!70年代オカルトというより70年代をネタにオカルトを論じた評論集。UFOの存在を昭和のちびっ子に浸透させたのは矢追純一ではなくつのだじろうが最初だったのか!エクソシストにノストラダムスと幅広く当時のオカルトを論じてるけど、知りたかった超能力ブームに関する記述がないのがちと残念。次は初見健一『ぼくらの昭和オカルト大百科』と前田亮一『今を生き抜くための70年代オカルト』が読みたい。2016/03/08

ヨシモト@更新の度にナイスつけるの止めてね

3
70年代のオカルトブームを個々の作品や人物に焦点を当てて概観。70年代のオカルトブームを浴びて育ったコドモたちが長じてどうなっていったかを考察する手掛かりにしたかったが、あくまで70年代の紹介にとどまる。執筆者は、57年~75年生まれの男性ばかり11名。2025/04/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/376168
  • ご注意事項

最近チェックした商品