出版社内容情報
アマチュアスポーツの底辺を支えてきた企業スポーツを、広告宣伝ではなく労務管理の一環で成熟した日本独自の人材育成の装置としてとらえ、スポーツと企業の関係を歴史的・社会的に解読して、経営学の視角から今日的意義をさぐる企業スポーツの社会史。
序章 いま、なぜ企業スポーツか――企業スポーツの黄昏、日本企業の黄昏
第1章 企業スポーツの栄光と挫折
1 最後の「製門戦」
2 八幡製鐵所の運動部
第2章 企業スポーツとは何か
1 スポーツと企業
2 企業労務とスポーツ
3 文化としてのスポーツ、文明としてのスポーツ
第3章 企業スポーツの日本的展開
1 企業スポーツの萌芽と展開
2 スポーツ・サポート成立の条件
3 もう一つのスポーツ・サポート――清水善造と熊谷一弥
第4章 企業スポーツと日本企業
1 日本型企業フィランソロピー
2 スポーツの教育効果
3 サポートの方法
第5章 企業スポーツの実態
1 選手の言い分
2 会社の言い分
第6章 企業スポーツの明日に向かって
1 海外の企業とスポーツ
2 国内の新動向
終章 日本の企業とスポーツのために
あとがき
内容説明
オリンピックに代表されるスポーツのビジネス化が進行する一方で、アマチュアスポーツの底辺を支えてきた企業スポーツがあえいでいる。都市対抗野球という名の社会人野球、「東洋の魔女」と呼ばれた日紡貝塚の女子バレー、旭化成のマラソン、新日鉄釜石のラグビー、Jリーグに変身した社会人サッカー。広告宣伝ではなく労務管理の一環として成熟していった日本の企業スポーツの歴史をさぐり、「日本独自の人材育成の装置」であることを解明する。地方の中小企業によるマイナースポーツ支援がもたらす効果、プロ化しない若手選手たちの活躍の場としての役割など、経営学の見地から企業スポーツの今日的意義を具体的に提言する。
目次
序章 いま、なぜ企業スポーツか―企業スポーツの黄昏、日本企業の黄昏
第1章 企業スポーツの栄光と挫折
第2章 企業スポーツとは何か
第3章 企業スポーツの日本的展開
第4章 企業スポーツと日本企業
第5章 企業スポーツの実態
第6章 企業スポーツの明日に向かって
終章 日本の企業とスポーツのために
著者等紹介
沢野雅彦[サワノマサヒコ]
1951年、石川県生まれ。和歌山大学経済学部卒業、大阪大学大学院経済学研究科経営学専攻。博士課程中退、京都大学から博士(経済学)学位取得。富山大学助教授、英国暁星国際大学教授、九州国際大学教授を経て、北海学園大学大学院経営学研究科教授。専攻は経営学、特に人事・労務管理、経営人類学
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