出版社内容情報
噂やデマとは異なり、同一内容の言説を短期間に広範囲に伝える流言。誰もが情報の受信者/発信者となる高度情報化社会で、流言を信じ広めるメカニズムを、聞き手と話し手の信じる/信じないという心的態度と状況・態度・権威の要素とで構造的に解析する。
第1章 流言とは何か
1 流言への眼差し
2 グローバリゼーションとローカリゼーション
3 再検討の必要性
4 流言の定義
5 水平的な伝播
6 垂直的な伝播
7 水平的伝播と垂直的伝播のかかわり
第2章 流言の内容と形式
1 流言のテーマ
2 解釈流言と解決流言
3 言説の分類
4 信言・違言・偽言・戯言
5 言説の伝播
6 変則的パターン
7 なぜ信じるのか
8 なぜ伝えるのか
第3章 流言の変容と心理
1 アメリカ社会心理学・社会学の研究
2 民俗学者の研究
3 流言変容のモデル
4 不安という心理
5 飽きという心理
6 流言発生の心理メカニズム
7 自己表現としての流言
第4章 都市のなかの流言
1 田舎の噂と都市の流言
2 大都市の精神生活
3 客観的世界と社会的世界
4 外国人労働者レイプ流言――ジェンダーと流言
5 四月十五日東京異変流言――マス・メディアと流言
6 さまよう心と言説――子どもたちと流言
第5章 情報・情報化の意味と影響
1 情報の二側面
うことと語るということ
あとがき
内容説明
流言は、なぜ広まるのか?なぜ信じるのか?デマや噂とはどう違うのか?情報化社会の極限を迎えた現在、情報の受信者は同時に発信者でもある。そこでまず、流言を話し手と聞き手の二者間のコミュニケーションにまで還元することで、「短期間に広範囲に伝わった同一内容の言説」と定義する。そのうえで、全国に瞬時に伝播したさまざまな流言を形式社会学の手法を援用しながら検証し、話し手と聞き手の判断によって信言・違言・偽言・戯言の四つに分類できることを論証する。それを前提にさらに、状況・態度・権威の三つの要素が作用することによって、流言を受信するだけではなくそれを積極的に発信するようになる伝播のメカニズムを構造的に解明する。
目次
第1章 流言とは何か
第2章 流言の内容と形式
第3章 流言の変容と心理
第4章 都市のなかの流言
第5章 情報・情報化の意味と影響
第6章 タイ米ネズミ混入流言
第7章 堺市O‐157事件をめぐる流言
終章 流言研究の方法―本書の方法論
著者等紹介
早川洋行[ハヤカワヒロユキ]
1960年、静岡県生まれ。中央大学大学院博士課程満期退学。滋賀大学教育学部助教授(社会学博士)。社会学専攻
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