出版社内容情報
しなやかに指をあやつり、他人のポケットをさぐる地下世界の職人たち──。伝説的なスリのエピソードや、スリ養成所のレッスン法、磨きあげられた手口の数々を紹介し、スリたちのテクニックと素顔を生き生きと描く。感嘆長大息の一冊。
"プロローグ 私がスリに興味を持ったわけ
1 昔気質のスリ
伝説に彩られたスリ、ジョン・ドーソン/「黄金の手」ミミ・ルプリーユジョン・ラーニー、またの名を「マッチ売りの少女モリー」/「レディ・フィンガー」――ブロードウェイが彼女の舞台/ラステッリほどの人物からは盗めない/「はさみ」/スリは手が命/キルケゴールの「大盗賊」
2 喝采なき名演奏家
エリザベート・ガスナー、またの名を「黒いリーザ」/「プリンス・オブ・ピックポケット」ジョージ・バリントン/エリザベス・ウェスト/マーガレット・マーフィー/ソフィー・ライアンズ/ルイス・フィンケルシュタイン/エミーリエ・ケムナート/アンゲリッロという芸名で呼ばれたスリ/メイベル・フィンチ/「ポストマン」と呼ばれたスリ/スタニスラウス・クラスニク/小林ミドリ/懲りないスリたち
3 鈴をつけた人形で修行する
ミスター・ウォットンのスリ学校/カルトゥーシュのマネキン/サフランヒルのフェイギン・スリ養成所/マダム・マンデルバウム学院/立派で礼儀をわきまえたマドリッド学院出身者/レムベルク出身のエリート/ヴァリャドリード出身のエリートたち/メキシコの集中芸/ニューヨークのバスでのできごと/浮気がばれた/大空港には獲物がいっぱい/世界新記録/早すぎるデビュー
7 目だたぬように目を光らせる――スリ捜査官の仕事
ハンブルク・スリ会議/スリも一目置く敏腕刑事/理想的な捜査官/「元帥」と呼ばれた刑事/机に向かっていてはスリは捕まえられない/スリの見分け方/盗む相手を間違えた/おとりを演じる/予期せぬ再会/あべこべ/アウグスト・ブフナーと「彼の天使たち」/世界を股にかけた二人
8 それは誰にでも起こり得る
ゲオルク・クリストフ・リヒテンベルクのロンドンでの体験/エルサレムを訪れた新約聖書学者の体験/スタンダールの歳の市での体験/アーヘン大聖堂で災難に遭った外交官の体験/ローマ古道具市を訪れた司書の体験/ブルックナー涙を流す/名人たらんとするものは、早くから修行を始める/数学者のスペイン旅行/時計の盗難にもあわてず騒がず――マックス・ブロートの体験/ベルリンのデパートでのグラフィックデザイナーの体験/「大事なのは人生の計画を変更しないこと」――ウラディミール・マヤコフスキーの体験/ボンベイのトム・ケネディ神父/インターシティ特急に乗った鉄道警察官/パロー
映画に登場するスリ/スリ映画の古典的傑作――ロベール・ブレッソンの「スリ」/大爆笑――ピックポケット・ショー/ジョヴァンニ――チャーチルとお近づきになったスリ/パパ・バンベルクの汽車の旅/安全鎖の甲斐もなく時計がシャンデリアからぶらさがった話/ジョー・グリマルディ――笑いの渦/スリの心配のなかったリヒャルト・ヴァーグナー
13 三番目に重い罪
「人だかりが大きければ大きいほど、スリの希望はふくらむ」/スリの避難所/三番目に重い罪/魔法による犯人探し/悪魔に憑かれた少女の炯眼/見せ物にされたスリ/ベルリンのスリ/ユニークな隠匿場所/良心の呵責/犬を共犯者に仕立てる/貴族たちの気晴らし/王の密かな楽しみ/太陽王、スリの共犯となる/上流社会/ローマの上品な泥棒/フラッシングでは時計を盗むな/スリが「大砲」と呼ばれるわけ/この世とはそういうものだ/終わりに――安心して滞在できる場所
エピローグ 過去が私に追いついてくる――現在のロンドン
感謝の辞
出典/参考文献"
内容説明
しなやかに指をあやつり、他人のポケットを探る地下世界の職人たち。伝説的なスリのエピソードや、スリ養成所のレッスン法、磨きあげられた手口の数々…そのテクニックと素顔を生き生きと描く。
目次
昔気質のスリ
喝采なき名演奏家
鈴をつけた人形で修行する
いかにして注意を逸らすか
狙った獲物に近づく
駅はスリの活躍の場
目だたぬように目を光らせる―スリ捜査官の仕事
それは誰にでも起こり得る
スリから身を守る法
スリの凶悪化〔ほか〕
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ビニール
ふじこ