出版社内容情報
身体を機械化し、死を真空化する近代医療の彼方にあるものは何か? 東洋医学・心理学・哲学の知見を交差させ、自殺の心理と死の瞬間の意識を照射し、死の意味を解読する。死と生の欲望に引き裂かれた人間存在の限界についての考察。
まえがき
1 脳死・臓器移植について
(1)議論の整理
①なぜ問題なのか
②さまざまな立場
③三つの脳死
(2)脳死・臓器移植のパラダイム
①原子論、機械論、因果論
②物心二元論
③脳中心主義
④大脳中心主義
⑤不可避の脳移植
⑥大脳は自己意識の座ではない
⑦自己意識中心主義
⑧人間中心主義
⑨自己意識中心主義プラス人間中心主義
⑩人間サイボーグ化
⑪人間ロボット化
⑫功利主義
⑬極限利用主義
⑭無脳児の利用
⑮人体資源論
⑯功利主義に抗して
⑰進歩という神話
⑱カニバリズム
⑲善悪二元論
(3)現実的になにが可能か
①しかし、脳死・臓器移植を否定することはできない
②人はいつ死ぬか――ドナーの立場から
③臓器摘出のための暫定的な死
④臓器摘出のためのその他の条件
⑤移植が必要となるとき――レシピエントの立場から
⑥移植の必要性を減らすこと
⑦臓器移植はどこまで許されるか
⑧まとめ
2 自殺の心理から死の意味に解放される
③死の瞬間は意識と無意識が全面的に対決する瞬間である
④死の瞬間は魂が解放される瞬間となりうる
⑤魂の救済としての聖婚
⑥死はすなわち悟りではない
⑦死は審判の瞬間である
⑧自殺と臨死体験
⑨無意識は死後の生を信じている
(3)『チベットの死者の声』を読む
①三つの解説のとき
②チョエニ・バルドゥ(存在本来の姿の中有)――第三の光明の体験
③シパ・バルドゥ(再生へ向かう迷いの状態の中有)――第四の解脱のとき
(4)死後に意識は存在するか
①死にいたる意識のプロセス
②肉体の死の苦悩の効果
③死後の意識
(5)最後に――悟りの構造
①「無の悟り」と「空の悟り」
②個の悟りを超えて
あとがき
内容説明
身体を機械化し、死を真空化する近代医療の彼方にあるものは何か。東洋医学・心理学・哲学の知見を交差させ、自殺の心理と死の瞬間の意識を照射し、死の意味を解読する。
目次
第1章 脳死・臓器移植について
第2章 自殺の心理から死の意味を考える
第3章 死の体験の意味