出版社内容情報
宗教学・民俗学・歴史学・国文学など諸学の交差する地平に独自の精神世界を築き上げた神道学者の記念碑的第一評論集。出口王仁三郎、空海、平田篤胤、折口信夫、シュタイナーなど異色の精神史を照射し、「霊学」の新展開を告げる。
ふとまにかがみ
1 ふたつの霊界モノガタリ
(1)神話的創造力と魂の変容 出口王仁三郎と折口信夫をめぐって
二つの電極、一つの電流/二つの霊魂学/霊主体従原理とタマ・カヒ原理――鎮魂の技法/トリックスター即レトリックスタ――-スサノヲ的エロス/恋=声なる言葉――言霊のちから
2 意識と声音
(1)語呂合わせの修辞学 宗教的レトリックの一局面
記号都市の語号操作――現代CMの駄酒落手法/語呂合わせの二つのヴェクトル――笑いと呪術/ヒューモアとしての語呂合わせ/マジックとしての語呂合わせ/語呂合わせの宗教的ディスクール――新宗教の場合/語呂合わせのセマンティクス
(2)音霊の愉楽 エロスの現場としての声音の力学
空海の声音――エロスの現場としての声/レトリックがトリックとなる場面――メディアと感覚の変容/宇宙の音力――火水の言霊/音霊の愉楽――感覚というユートピア?
(3)魂を飛ばす技法 シャーマニズムと音楽体験
天狗界の音楽――仙童寛吉のシャーマニック・パフォーマンス/神界のフィールドワーク――幽けき音楽/シャーマニック・サウンド――その和魂と荒魂/魂を飛ばす変成/近代日本霊学と民俗学の展開――平田学三派/太古の「龍」の復活と弾圧/神智学をめぐる浅野和三郎と田中守平/霊的シンクレティズムとモノガタリの時代
「チ」のジレンマ
新版あとがき