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内容説明
古来から日本と中国は漢字文化で深くつながり、「図書館」という日本生まれの漢語が中国で使われているように、その交流は連綿と現在に至っている。しかし、近代期に両国は厳しく対立するようになり、図書館もそのはざまで揺れ動いた。中国での日本の図書館事業は、現地では「文化侵略」の一手段とみなされ、ついにはテロの対象にまでなった。満鉄図書館などの設立過程をたどり、日本の図書館関係者が果たした役割を友好親善と文化侵略という両面から見据え、日本と中国の政治に翻弄された図書館の近代期を解明する図書館史研究の成果。
目次
第1部 友好から対立へ―近代期の日中図書館界(和製漢語「図書館」の中国への移入;湖南図書館の創立―中国での近代公立図書館の成立と日本;対支文化事業による図書館事業―日中関係修復への模索;日中戦争と北京近代科学図書館)
第2部 満鉄図書館の歴史(満鉄図書館史の時代区分;大連図書館の成立;満鉄図書館協力網の形成;満鉄児童読物研究会の活動―満鉄学校図書館史の一断面;衛藤利夫―植民地図書館人の軌跡)
著者等紹介
小黒浩司[オグロコウジ]
1957年、東京都生まれ。作新学院大学教員。日本図書館文化史研究会、日本図書館情報学会、日本図書館研究会などの会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
69
日中戦争中に中国で開設・運営された図書館に関する論文集。私の認識が浅かったのでそういった図書館が存在したこと自体を本書を読んで初めて知った。あくまで歴史的な事実の検証を行った書物であるため、図書館の本分である選書による情報資源の組織構築と、可能な限り開かれた施設をつくる、という理念を持ち続けられた図書館員が存在し得たか否かというあたりをもっと知りたいと思った。2020/01/19
kaizen@名古屋de朝活読書会
58
#説明歌 1900年代新政「変法」と和製漢語と維新運動 中日の戦争長期化は自ら規定「戦う図書館」2016/05/16